困ったことになった。友達の作戦だったと言えども、彼のメアドをもらってしまった。メアドをもらえるとは思ってなかったのにこうも簡単に手に入れてしまうと悩みが出てしまった。それは私が男子とメールのやり取りを"したことがない"ということだった。直接話したりしたことはあるのだけれども、メールという文明機器で会話のやり取りをしたことはなかった。というか彼が私の携帯に登録した初めての男子なのだ。 どんな風に送れば大丈夫だろうかと考えてはみるが、難しい。 とにかく文章がうるさいと思われるのは嫌なので絵文字とか顔文字は極力さけてみたが、堅苦しくなってかえって駄目だった。 本当、後悔先に立たず。 友達の馬鹿みたいな作戦にのるんじゃなかった。 というかなんで緑間君は私とメアドを交換したんだろう… 友達として仲良くなりたいからかな...?それだったら嬉しいな。 なんて考えてとりあえずありきたりなメールを飛ばしてみた。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ To 緑間君 件名 夜遅くにごめんねっ ―――――――――― みよじ なまえです。 よろしくお願いしますm(_ _)m ____________ ありきたりな顔文字を最後にいれてみたけど、これは女子のメールなのだろうか、疑いたくなる飾り気のない自分のメールに少し涙が出る。でも送ってしまえばこっちのもので、こんな女子もいる!そうポジティブに思考を戻し、ベッドに倒れ込む。 (送ってしまった……) そんな恥ずかしさのあまり枕に顔をうずめていると着信音が鳴り響いた。 もしかしてとメールを開くと、例の彼からだった。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ From 緑間君 件名 別に構わんっ ―――――――――― 分かっているのだよ。 こちらこそよろしく。 ____________ 絵文字とか顔文字使わないんだーとか律儀に件名にまで返信してるよーとかそのメールは緑間君らしくてちょっと笑ってしまった。 Dear (バスケ部練習頑張ってね!) (あ、あと、高尾君にもよろしくね。っと) (そぅ〜〜しん!!) . |