「あんた、青峰っちのなんなんスか?」


誤解の告白(私が黄瀬君の事好きです疑惑)から約24時間で再会した私たちは彼のこんな一言から始まった。


「何って友達…かな?」

「嘘っスよね?俺に近づくために、青峰っちと仲良くなったんスよね?俺にフラれたのに諦め悪いっスよ。」

「?ってまた誤解してない?
……私、昨日の誤解を解きにここに来たんだよ。私が気になるって言ったのは、君の表情というかなんというか…」

「言っていることが分からないっス」


それから昨日テンパったのが嘘みたいに冷静に彼の誤解を解いていく。昨日言いたかったことから、すべて。なんとか誤解を解いた後、二日前のあの教室でのことを聞いてみたら顔は覚えてなかったが、カメラで今更ながら私だったのだと気づいたらしく、驚いた表情がなんだがおかしかった。

黄瀬君曰わく、あの日はファンの子達に追いかけられていて、心身共に疲れていたところを黄瀬君しか知らない秘密の教室に来たら、女の子がいたのでファンに秘密がバレたと思ったらしい。


秘密の教室って…。


そんでもってカメラなんか持ってるからファンが勝手に自分を撮ろうとしたのかと思ったらしい。



「誤解を解くために体育館に来たら、青峰っちに会って…って感じっスか。」

「そんな感じかな。」

「なーんだ。俺の思い違いって訳っスか。恥ずかしいっス。」

顔を両手で覆い隠し、耳を真っ赤にした隣の彼が昨日までの彼と違いすぎて面白かったので、ちょっと笑ってしまった。すると彼は笑いすぎと言わんばかりに、ふてくされた子どもみたいな顔をこちらに向ける。ダメだ、笑ってしまう。



「…青峰君がさっき言ったとおりだ。」

「青峰っちは何言ったんスか?」

「……秘密」


そう言って立ち上がると西の空は真っ赤に染まっていた。その光景はいつにも増して綺麗で、思わず見とれてしまった。


パシャッ。


どこかでシャッター音が聞こえた気がした。



はい、チーズ



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