「で〜あるからして〜」


桐皇高校―。
私はここに通うごく普通のごくごく普通の女子高生。
3月までセーラー服だった私も、今では立派にブレザーを着こなしている。


「この公式をこうして〜」

しかし、女子高生というのは大変だ。


―キーンコーンカーン―

「ではこれで授業を終わります。」


――きりーつきょーつけーれい。

―――ありがとうございました。



勉強に、友達付き合いに、そして、恋愛。
恋愛についてこれっぽっちも興味がなかった私が
先日彼氏が出来た。


「あれ?今日もなまえは桜井君と?」

「えへへ。屋上で待ち合わせ〜♪」

「このリア充がっ!!爆発しなさい!」


こうは言っても、実際彼氏ができたからって特別に毎日が変わるわけじゃない…
彼とはクラス違うし…

部活もあっちはバスケ部でこっちは帰宅部。
バスケ部は大変そうなのに比べて帰宅部はただ家に帰って暇つぶし。
まあ、帰りを待つってのが普通なんだろうけど、帰り道も彼とは反対方向。
まさか部活で疲れてる彼を……ダメだと思う。

これじゃあカレカノっていうより友達。

だからこうして昼休みだけでも一緒に!って思って屋上で横にならんでるんだけど…

お互いがお互いに話せない。無言だけが私たちを取り巻く。

正直私なんかのどこが良かったのだろうか……

分からない。


「ねぇ…桜井君は私のどこが好きなの?15文字以内で述べよ。」


わからなければ聞けばいい。
私は右横のいちごオ・レを飲んでいる彼に唐突に国語のよくある問題のように訪ねた。

「え……と……その……」


やはり思ったとおり。
すぐ答えられない。
彼はそういう性格。
この前の試合では
"あやまりきのこ"
と違う学校の人に言われてたっけ。
それくらい普段の彼はオロオロする。

そして一言目には謝る。


「分かった。そんな唐突にきかれたら困るよね。ごめん。今のきかなかったことにして。」


そうだよね。理由なんかいらないよね。
でも、なんで好きかくらいききたくなるじゃん?
15文字以内ってのが駄目だったのかな?



「……じゃ………ない……です」


「あ、えっと、何?」









15文字以内じゃ足りないです。

(ぴったり15文字!凄い!!桜井君!)
(え、あ、え、すみませんっ!!)
(なんで謝んの?)
(すみませんっ)







でってゆー

か〜ら〜の〜♪

でってゆー



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