私には一つ上の兄貴がいる。
世間でいう年子で今はおじいちゃんとおばあちゃんと暮らしてる。

そんな兄はバスケがうまく、周りからは"鉄心"と呼ばれている。
私の自慢の兄だ。

でも兄は、高1の時足をケガした。
原因は相手チームの故意的なもの。

そのケガは酷く、兄は入院することになった。

私が病室に行くと必ず笑顔で迎えてくれる兄。

彼が一番辛いのに、常時笑顔。

それが私には辛かった。

そんなこともあってか、バスケに興味を持つようになった。

兄がバスケをしているからって妹がしてるとは限らない。
そんなことを中学の時、口癖のように言っていた。
まあ、実際、私は帰宅部で運動オンチだ。

そして、頭も悪いときたもんだ。

けど高校に入って兄を夢中にさせたバスケに携わりたいと考えるようになった。

なんもとりえがない私がなぜ勉強して兄が通う誠凛高校へと受験を決意したのか、理由はさっき話した事が大きい。

けど一番の理由は…

「よっなまえ。最近兄貴の様子どうだ?」

「こんにちは。日向先輩。
聞いてくださいよー。またあのバカ兄貴が隣のおじいちゃん引き連れて花札やって、看護婦さんに迷惑かけてて…」

「はなっ花札!?」


そう、日向先輩に会える!という不純な考え。

兄のお見舞いに行くと時々見かける彼に私は心を奪われた。

もっと会える日が増えたらなーと思いついたのがきっかけ。

我ながら馬鹿だと思うが恋の強さは凄いと思う。
現に受かったのだから。

「そーいえばこの前の試合を兄貴が見て、黒子君と火神君に早く会ってみたいって。」

「おー。そーいや、未だに毎日行ってんのか?見舞い。」

「あ、はい!あの人私がいかないとなにし出すか分からないですから。」


「お前意外と兄貴好きだろ?」

「はい。好きですよ。
あ、えっと好きっていうのはそういう意味ではなくて…兄貴としては好きといいますか…」

「おまえみたいのが妹だったらいいのにな。」



妹に欲しいな

(妹じゃなくて、そこは彼女にしてくださいよっていえないよね…。)
(なんか言ったか?)
(いえ何にも。)










なんとなく日向。



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