高校なんかどこでもいいって半ば投げやりに人生の第一の分岐点を親の勧めだけで決め、通い始めた桐皇学園。学園内は寮もあり遠くから来ている私は寮生活を送っている。


しかし、寮だとあまり自分の時間というものが持てず、息抜きすら出来ない状態なので今日は外に出て風を浴びることにした。


元をたどれば、親に人生を任せたのがいけなかったのかもしれたない。


中学までやっていたいたからか、ふと目に付いたストリートに足を運ぶ。端っこにはベンチ、そして誰とも知らないボールが転がっていた。

「ちょっとだけ……」


久しぶりに触った皮の感じにちょっとドリブルをつくだけが、気づけば、シュートを決めていた。

一昔前に憧れてた、同い年の選手みたくドリブルに緩急をつけたり、シュートを見よう見まねで打ったりした。


「お前、結構やるじゃん。」


いつからいたのかはわからなかったが、目の前には今まで頭の中で再生していた人物がいた。

これは幻覚?バスケのことになると私こんなものまで見えるのか、彼のこと一ファンとして好きすぎるだろ。


「...でもスキがありすぎ。」


いきなり私の目の前に来たかと思えば、手の中のボールを下からひっぱたいた。ボールはそのまま上に上がり、リングへ叩きつけられた。


その光景はどれも一瞬で、まばたきの時間でさえ惜しいほど、綺麗だった。


やっぱり胸のどこかで好きになってたのかもしれない。憧れからの感情。


ボーっとボールを奪われたまま突っ立っていると突然目の前を真っ暗にされる。

何事かと確認すると、おそらく彼の腕の中。

「ちょっと、」

嫌がるというより、意味が分からず、抵抗。

すると彼は

「お前俺のこと好きだろ?だからもう少しだけな、」


大嫌いです王子様
(何自惚れてんですか)
(は、自惚れ?事実だろ、)



――――――――――――


これは、青峰さん?ですか?


いや、違います。


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