笠松side
「睡、眠不足…?」
「そ、睡眠不足で倒れたのね。きっと。」
「なんだよ…脅かしやがって…」
「あ、それと、笠松君私これから出張だから、彼女が起きたら鍵よろしくね!」
「あ、はい。」
小森がいきなりなまえが倒れたとか言うもんだから急いで来てみれば、原因は睡眠不足だそうだ。ったく。心配させやがって。
俺の心配とは裏腹に彼女はスヤスヤと穏やかな寝顔をしていた。手を伸ばして頬に触れようとしたが、屋上でみた二人が蘇り途中でやめる。
黄瀬に勝てるわけないだろ。
好きなんだお前が、好きだ、なまえ…。
――――――――――
主人公side
いつのまに寝ていたのだろう?日はオレンジ色にあたりを照らしていた。あれ?いつ保健室来たっけ?とにかく覚醒していない頭をフル回転して状況を把握しようとしたら、左側で寝息が聞こえる。よく見ると、それは幸男だった。
なんで幸男がいるの?
部活は?私のために休んだの?
なんで?ここにいるのよ?
「…そんな期待させるようなことしないでよ。」
今度こそ誰にも気付かれずにはかれた言葉は静かな部屋の中に消えていった。
もうこの寝顔は私だけのものじゃない。私だけが知ってると思っていた。バスケやってる時にはかっこ良くなるとことか、ちょっと照れた時には可愛らしくなるとことか。でも今はそれは私だけじゃない。
「…幸男が好きって気付いちゃったじゃんよ。幸男のバカ!!」
「……バカはねぇーだろ。」
「!?」
半ば八つ当たりでつぶやいた言葉に当の本人が起きたらしく、気持ち少し機嫌が悪いように見えた。ヤバい聞かれた!と考えていたら、視界一杯に彼の顔があってそっぽを向こうとしても、両手で押さえつけられていて動かない。
「なっ何よ!」
「今の本当か?」
「えっ?」
「だから、俺の事好きだってやつ…」
「知らないよっ」
「でもお前黄瀬と…」
「え?黄瀬君?」
「まぁ、なんでもいいや。」
「何がよ?」
「…俺は好きだ。お前が。」
「どういうこ
その後は続かなかった。
気付いたら、私は幸男に口を塞がれていて...
告白にルールなんてない
(幸男、彼女いるんじゃないの?)
(いるけど、今日別れる)
(だから、付き合ってくれ)
END.
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