笠松side


「付き合ってください!!」



俺は女子が苦手…いやしゃべるのが苦手だ。しかし、そんな俺にも普通に話すことの出来る奴がいて、俺はソイツの事が最近気になっていた。


きっかけは一つのギターだった。

あいつに中学の時にギターをあげた。これといって必要なかったし、それにもう一本あったから、欲しいやつに渡してもバチは当たらないだろという簡単な気持ちからだった。

そんなこともバスケによってすっかり忘れてた俺は去年の文化祭で久しぶりにそのギターに出くわした。

会場は大盛り上がりでなんかのゲリラライブ並みの人の上にあいつがいた。

あげたギターは少しメッキが剥がれ、Cコードもままならなかった音色は難易度の高い曲を奏でている。


一瞬で虜になった。思えばそこからだったのかもしれない、あいつが気になり始めたのは。




―――――――――



「よっ」


シーーン


ま た か?


そんな矢先にあいつは俺を避けるようになった。理由を問おうとすると逃げられる。何かしたのだろうか?なぜ俺だけ?小堀には話しているって聞くし…


あーなんなんだ。くそっ









「……泣いていいんスよ。ほら、こうすれば...」


「…………ごめっ……んっ。」



おいおいおい。なんなんだよ。なんなんだ、これは……。

少し苛立って気分転換に屋上に来てみたら、あいつが黄瀬の腕の中で泣いていた。



お前が泣いてるの何でだか分かんなくて不安になる
(なんで黄瀬なんかと...?)
(あぁ、そういうことか…。)




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