「えっいいの!?」


「あぁこれなまえにやる。そのかわり大切にしてくれよ。」




――――――――


最近、よく夢をみる。それも数年前に彼からプレゼントをもらった時の過去の出来事の、だ。何かの予知夢なのかは知らないけれど、その夢は私を穏やかにさせていた。


彼が初めて私に会ったのは中学二年の時で、それから高校も同じ。女子としゃべるのが苦手な彼だが、私とはさすがに慣れたらしく今ではよく話すようになった。


お互い音楽が好きで話もあい、時々彼のギターと合わせるために家を訪れたりしていた。


そんなとき、ギターをもらったのだ。

黒いボディにかっこいいデザイン、私は一目惚れして……



元から高校では軽音部に入るつもりの私にそのギターをもらった時は本当に泣きそうだったのを今でも覚えている。





―――――――――



(やっば、文化祭にむけて曲作ってたら遅くなっちゃった。)


「……くん、前から好きでした!付き合ってください!!」



今年最後の文化祭でオリジナル曲を作ることになった私は帰らなければならない時間も忘れて作業していたため、時間に帰りをせかされていた。そこで近道だと思い体育館の裏側を通ろうとしたとき、ふと上記のような女の子の声がした。俗に言う告白現場の鉢合わせってやつです。


なんか、今日タイミング悪いなーなんて思い、とりあえずその場を離れようとしたら、よく見知った彼が女の子の反対側で顔を真っ赤にしているのが見えた。




なんで、そこにいるの....?




それから幸男の噂は大部分に広まった。
別に幸男の事が好きだったとかそういうのは考えたことなくて、ただ…なんとなく、私はあの日からあのギターをさわれなくなっていた。



君が好きなものすべて嫌いになったら、君のことも嫌いになれるかな?
(最近みよじさん元気ないけど大丈夫?)
(あ、小堀君。大丈夫だよ!!)




.



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -