引っ張られて連れてこられたのは。
―屋上―
「―?どうしたのさ!黒子君!!」
やっと、私は黒子君から解放され、様子がおかしい彼に訪ねてみた。
しかし、その言葉は黒子君に無視された。
「……僕は……」
と、言ってから一息ついて黒子君は、
「……僕は、あなたにとって、やっぱりただの友達ですよね?」
私の時が止まった…
聞かれてたってことが事実になり、
つまり、自分の気持ちにずっと嘘をつかなければならなくなるということになり、
一生自分の気持ちなど、伝える事が出来なくなるってことがどんだけ空しいか…
いっそのこと、気持ち伝えてしまおうか…
でも、黒子君との関係崩れてしまう……
そんな考えの答えが、
一気に分かってしまった。
いや、分かっていたから、認めたくなかったのかもしれない……
「…ぅ、うん。…」
実際ここで、本当は好きだって言えたなら良かったのかもしれない…
でも私は逃げた。
「……そう…ですか……」
黒子君は、下を向いてしまった。
友達、このままずっと…
私には次の言葉が見つからなくて……
黙ったままただただ涙がこぼれないように、まばたきしないように…
「…無理やり連れ出して、すみません…かえりましょうか。」
「いや、大丈夫だよ…うん、かえろうか。」
また、ぎこちない笑顔。
「最後に一ついいですか?」
「う?うん?」
訳が分からないまま返事して黒子君の方を振り向いた瞬間…
ふわっとした初めての感覚が唇に伝わって……
「僕はアナタ…みよじなまえさんと友達以上の存在になりたいです―」
―私がずっと言いたくても、言えなかった言葉を―
好きって伝えていいですか?
(…かえりましょうか?)
(………………。)
(みよじさん?)
(…ずるいよ…黒子君。)
end.
≪≫