「大丈夫ですか?なまえさん。」
思いもよらない人が話しかけてきたのでついおどろいてしまう…。
その拍子に椅子が後ろに倒れ、私も一緒に倒れてしまった。
なんていう動揺の仕方…
「いったぁ〜!あっうん。ありがとう。黒子君。」
やはり、彼は紳士的だ。
何もいわなくても手を差し出してくれた。
でも…
―「黒子のことどう思ってるわけ?」―
「……っ……」
私はそんな彼の手を…
差し出してくれた手を…
握ることは出来なかった…
「………。」
「ありがとう!ごめんね?驚いちゃった!…ちょっと考えごとしてて…」
ぎこちない笑顔を作って、
黒子君の方を見る。
すると、彼は私を見つめたまま急に黙りこんだ。
「あ、あの?黒子君?」
そう私が聞いても無視してじっと私を見ている。
黒子君にみられてるって思うと、急に、
心臓のドクンって音が速くなっていくのが分かった。
顔が赤くなっていくのがわかった。
やっぱり、黒子君が好きなんだってわかった。
そうしてるうちに黒子君はため息を一つつき、
いきなり立ち上がった。
「――?」
頭の中は?でいっぱいで、
「どうしたの?黒―」
黒子君?って聞こうとした次の瞬間には
もう、
黒子君は私の手を引っ張っていて、
階段を登っていた。
私は何がなんだかわからないまま、
黒子君のあとをついて行った。
横顔のあなたに....
≪≫