俺、森山由孝には天敵がいる。



「ねぇあそこの…」

「うんうん!イケメンだよね!」

「あ、こっち来た…」



「ありがとう(ニコッ)
これお礼にあげるね。」

――ポンッ


「「キャー赤い薔薇!!」」

「それどうやって出してるんですか!?」

「出してるんじゃなくて君達にあげたくて薔薇が勝手に出てきちゃうんだよ。」

「「キャー」」


「んなわけないじゃん。実際には初めから持ってたんだよ。」

「「え」」

「初めからこうやって。」


そう言って、俺がやっていたことを俺の可愛い後輩は軽々と種明かししていく。


そう、俺の天敵はこの子…
みよじ なまえ。

俺が女の子に声をかけようとすると駆け寄ってきて幾度となく邪魔をしてくる可愛い後輩…

残念なイケメンと周りから言われるとおり女の子とはいつもうまくいかないのに余計この可愛い後輩に邪魔されては100%玉砕してしまうのだ。

いつしか可愛い後輩が高熱が出たと言って休んだ時はさっそく女の子をひっかけに行ったが、いいタイミングで電話がきた。

それほど俺のことを嫌っているのだろうか。


でも憎めない。

理由はこの子が"可愛い"からだ。

さっきも何度も強調してきた単語をもう一度復唱すると
"か わ い い"だ。

わざわざ一文字一文字の間にスペースを使って発音するほど可愛いわけだ。



「はあ〜今日も君に邪魔されたよ。」

「本当飽きませんね。
ナンパなんてどうせ無理なんですからやめた方がいいですよ。」


「いや、8割がた君のせいだから。なんで俺の邪魔すんの。」

「面白いからに決まってるじゃないですか」

「もう、やめてよー」

「嫌です。」


あー!!
君はもう、


種明かし禁止!!
(先輩はナンパ禁止!!)
(なっなんで!?)
(気づけ!馬鹿山先輩!)








という話くらいしかツンデレが出来ませんでした。

相手が森山先輩なのは謎です。



×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -