――キーンコーンカーン



『あ、昼休み終わっちゃったよ…』

「やっぱりサボリじゃねぇーか。」

『別にいーの!』

「よかねーよ、俺が綾にシメられんだよ。まぁかわして賢吾が結局はシメられんだけど…」


『賢吾……』




―――……キイ


「あ、昶、こんなとこいたんだ!」


『あ、噂をすれば〜』


「…?ってか昶、パン渡したとこと違うから、昼休み探し回っちゃったじゃんか!!」

「……………」

「無視!?ねぇ〜綺羅からもなんか言ってよ!」

『……………』

「2人そろって!?」

「2人じゃなくて3人ですっ私を忘れないで下さいっ」

「ごめんなさい白銀さんっ、だから拗ねないでくださいよっ」

「拗ねてませんよー」




『ふっあははははは』


「「「!?」」」


『あ、ごめん、なんか可笑しくてっ』

「俺らのどこが可笑しいんだよ!」

『いや、あはははっなんか、最近になってからなんだな〜って』

「?」

『ずっと前からこうやって話してた感じがしてさ』


あの日まで…西条君と萌子が私たちの前から消えた日まで誰かが傷つき誰かが泣いていた。

そんな日々が今では嘘のようにまるでなかったかのように作り出されている。

そんな昔話にするにはあまりにも辛い日々なのに、辛い思い出なのに、安心したかのように過去の話になって終わった。

そんな自分が可笑しくて、あんなに、誰かを傷つけないようにしてきたことが終わった途端安心して、なんだか自分が最低な人間なのかな?って考えてたりした。


『だから、生きてて良かったな…って』


あの時本当に終わったのかな?そんな疑問とちょっとの安心が私を巡った、また化け物として生きていくのかって考えたりもした。

でも今こうして生きている。

そのことがなによりも幸せで、なんだが、夢のようだった。


『なんか変だね、ごめんね、今のナシ』



そんなマイナスな考えを無理矢理プラスの方の考えにしてなかったことにした。

でもやっぱり変な空気は変わってはくれず、そのままみんな黙ってしまった。




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