――昶side
あの日から西条は俺たちの前からいなくなった。
いなくなったっていうことは別に死んだって訳じゃなくて学校を転校したというか、海外へ行ったらしい。
興味はなかったから別に深追いはしなかった。
それからは普通の日課だった。
ただつまんない毎日が続いていった。
いつものように屋上で授業をサボリ、
いつものように賢吾にパシらせて、
いつものようにパンを食べる。
そして……
『またサボリかね?二海堂昶君。』
「お前だってサボリだろ? 綺羅。」
『へへっ残念、ハズレ。今はお昼休みだよ』
そう、いつもとは少し違う奴がいつもどおりにここに来る。
今はそれがつまらない毎日の中にある。
少し前までは交わる事のなかった事が今は当たり前のように交わっていて、この世界も捨てたもんじゃないなと思った。
――昶side end
Dear 萌子
元気にしてますか?
私は元気です。
クラスのみんなも今は文化祭で忙しく慌ただしいです。
うちのクラスはコスプレ喫茶だそうで、綾は可愛らしいメイド服を着てました。
可愛かったです。
賢吾はやっぱり犬の着ぐるみらしく、何気に似合ってて笑ってしまいました。
昶は執事だそうです。
今こうやって出来るのは萌子と西条君のおかげです。
ありがとう。
From 綺羅
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