目を瞑った―。
そしたら、変わらない笑顔のあの人がいた。
ちょっと照れるあの人がいた。
今まで助けてくれた彼らがいた。
………ってあれ?いつまで経っても萌子の木の棒が私に降りかからない。なんで?
私は瞑っていた目を薄々開けてみる。
すると、そこには…
「だから、言ったでしょ?今度は君を守るって!!」
と、萌子の棒を手で止める洸さんと、
「言っておきますけど洸?そのセリフ、彼女は途中までしか聞いてませんよ?」
と、杖で萌子の首を指している白銀さんがいた。
「えー!!それマジ?」
「はい、おおマジです。」
『………なんで?わ…たし』
確かに冷たくしたのに…
話なんか聞かなかったのに…
あろうことか、ダジャレまでやってしまった…!!
失礼極まりない……
「っとこのっ!!はなしなさいよ!!おっさんたち!?」
「おっさんって酷いな〜」
「まあ、おっさんですけどね…」
「白銀…それいうと、悲しくなるからやめて…」
なんで私を?
この人たちはなんで?
「なんでっ!綺羅なんかを!?あんたら、何者よ!!」
萌子は洸さんと、白銀さんに問いかける。
すると、あっさりと、
「何者っと言われても……」
「そりゃあね〜」
「「綺羅ちゃん/さんの味方だよ☆/です。」」
え?
あなた方はなんで?
そもそも、関わらないで欲しいって言ったのは洸さんだ。
接点を作らないで欲しいって……
白銀さんも、私は危険人物だと分かっているのに……
なん………で……?
「まあ、実際は彼女、人の話を最後まで聞かないで行ってしまわれたのでまだきちんと言ってませんが………」
『なんで?私は危険人物なんですよ!!それに、誰とも関わるなって……
だからずっと誰にも頼らないで……自分の身は自分で守ってきたんです。今更なんで私に……私なんかをっ!?』
「なーんだ〜本当に綺羅ちゃん俺の格好いいところ見逃しちゃったのか〜
ざーんねーん〜」
そう言って起きあがろうとした私の頭を撫でた洸さんが、なんか悲しそうな顔をしていた。
「ごめんな…今更だけど、俺間違ってたわ…みんな守る。そう大切な人がいなくなってから今度こそはって思ってて……
でも、俺みんなを守るどころか、1人の女の子を傷つけてしまった。ごめん……だからってせめてもの報いで、綺羅ちゃんを二度と傷つけやしない。だから、守る!!
ダメかな?別にあの時の許しなんかいらないけど、守りたいんだ…君を…それにあの時は君のためだってあれが君のため、みんなのためって思ってたんだ。………ごめん。」
洸さんはさっきみたいにおちゃらけてなくて、真剣だった。
初めて見る真剣だった。
いや、会うのはこれで二回目だけど、真剣に私に言ってることはわかる。
『……………ダメに決まってます。私は自分が許せないんです……でも…もし……』
「………もし?」
「洸!!萌子さん?でしたっけ?危ないです!!今まで気づかなかったんですが、コクチに寄生されてます!!」
「なんだって!!どういうことだ?それ?」
「なんかわかりませんが……今までより、強力というか……」
「白銀なんとかなんねーのかよ!!」
「それが、一匹じゃないんですよ!?二匹……いや三匹います!」
「って…………あの時と……」
「洸!危ないです!!
………う゛っ……」
『「白銀!/さん!」』
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