「田代さん!僕とつきあってください!!」
―風が吹いた―
一瞬何がなんだかわかんなくて、躊躇った……
そして、頭で理解した。
こっ告白されたんだ。
っと―――
「で?で?どう返事かえしたの?」
そうやって、聞いてきたのは、"親友"の石狩萌子。
『ちゃんとお断りいたしました。付き合うとかまだよく分からないですし…』
「へぇ〜綺羅もったいなーい!西条君って、頭いいし、お金持ちだし、格好いいし!そりゃあ、二海堂君よりは顔はイマイチだけど、二海堂君はなんて言うの?近寄るなオーラじゃん?」
『近寄るなオーラ…ですか…ハハ』
「それに変わって、みて、あの優しさ!断然西条君だね!」
『ふふふ。そうですか?』
幼なじみをけなんけなんに言われたが、それも一理あると思うんだよね…
二海堂君、なんか怖いし……
二海堂君と私が出会ったのは、小学生の頃。
浅村君が私に話しかけたところからよく連むようになったんだっけ?
あの時からツンデレ……いや、ツンテレだったからな〜
え?なんで、名字で呼ぶか?それは……
「まあ、綺羅の勝手だから、別にいいけど、あの誰にでも優しい、頼まれたら断らない綺羅が、西条君をフルなんて思ってもみなかったよ〜」
『それは、私だって、好きじゃない人には、フリます…だって、好きじゃないのに、付き合って、相手傷つけたら終わりだと思うので……』
「本当どんだけお人好しよ〜!!別にフルって言うのは悪いことじゃないからね?西条君もスッキリしてると思うよ?」
『…はい。ありがとうございます!萌子さん!』
「そうそう!綺羅には、笑顔が一番!じゃあ、私先生来たから、席戻るわ!」
「(西条君をふる?私にそんなこと言って自慢してんの?何それ。超ムカつくんですけど……そうだ!西条君は今、情緒不安定よね!今私が慰めれば!!チャンスだ!!)ふふふ。」
――そして、
始まる………
物語が――――
「――っ!田代さん?僕を振ったこと許さないよ?どんな手を使ってでも、僕が手に入れてやるんだ。」
―始まりの影―end。
次はあとがき。
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