「カントク……黄瀬だけじゃないスよ?」
―パツッ―
おお一蹴の3P!!
「「いいぞいいぞ笠松!!」」
「……わかってるわよ…」
俺がカントクに
忠告すると、こういうこと(黄瀬だけではないこと)は予測していたらしい。
それほどバ神を……
「…ふう…ったく…しんどいね…つくづく」
コートの中では、主将が悪態をつく。
そうしているうちに
海常のみなさんはテツに慣れてきたらしい。
テツの失敗が多くなる。それにより、海常の攻撃が増えじわじわと差がひらく。
「(あと二分か〜黄瀬が今ボール弾いて変なとこに飛ばしたから、時計が止まっている。早く気付よバ神。)」
チームとしてのフォーメーションや戦略以前に、まずバスケは[サイズのスポーツ]と言われている。
今の誠凛と海常じゃ5人の基本性能が違いすぎる。
唯一対抗できる可能性があったのはバ神なわけで…期待してんだけどな…
今のままのバ神がどんな技をやろうと見ればすぐ黄瀬が倍返ししてくる。
そこに気づけよ。バ神。
そんな願いが通じたのかいきなり笑い声が聴こえた。
「ハッハッハハハハハハ」
その笑い声に会場全体が何事かと静まり返る。
その中に俺もいるわけで、?バ神大丈夫か?
と心配した。
「ワリーワリーちょっと嬉しくてさァ…
そーゆーこと言ってくれる奴、久しぶりだったから…」
「……………?」
「あぁ、アメリカじゃ、あれが普通だったんだよ!!オレには勝てねぇよ発言。」
「え!?アメリカいたの!?
すげー!!」
あぁなんだ。黄瀬が自慢始めて、その発言に嬉しくなって笑い出したのかよ。
驚かせんなよ。
ついに壊れたかと…
まっ見つけたみたいだし、いいか。
すこし大丈夫かよと思ってたけど安心したようにアイツらの試合を見ようと思った。
こんな気持ちはたぶんこれからの展開が少なからず見えたから楽しまずにはいられないだろうとウズウズしてるところからきてるんだろうな。
と柄にもなく考えた。
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