とここで、黄瀬がバ神に、
「女の子にはあんまっスけど…バスケでお返し忘れたことないんスわ!」
なんていうから、あの馬鹿は、
「上等だ!!黒子ォよこせ!」
ってことで、まだはじまって三分だというのに…
まるで、ノーガードで殴り合うような試合をしている…。
―これが、[キセキの世代]同士の衝突…―
「カントク、俺今ほど試合に出たいって思った事ないかもしれないです。」
「…でもあなたは出さないわよ」
「冗談ですよ。出たとしても足手まといになるだけですから。」
バ神がゴールを入れると黄瀬がその数倍で返してくる。
その繰り返しでオフェンスとディフェンスが変わる。それも早いスピードで。
いくらバスケが切り替えが早いスポーツだからと言って、こんなに早いと疲労がたまる。
つかバ神、ちょっと焦ってる
これはちとまずいんじゃないのかね?
「カントク!タイムアウト…お願いします。」
「うん。そうね……」
やっぱ、カントクも同じこと考えてるみたいだな……
ピー
―タイムアウト、白。―
タイマー係りがジェスチャーをし、タイムアウトを告げる。
そのあと、ストップウォッチで一分はかる。
タイムアウトは大抵一分で、それぞれのチームは作戦を練ったりする。
時々、相手のチームに流れをもっていかれてる時に流れを変えようと取る監督もいる。
しかし、タイムアウトは取れる回数が前半と後半で決まっているから、無闇には取れないのである。
―誠凛ベンチ―
「はい。飲み物とタオルです〜。」
みんな五分とは思えないほど疲れてんな…
まあ、オフェンスとディフェンスの切り替えが速い。そりゃ疲れるか!
というかずっと黙ってたけど、テツの事言わなくても大丈夫か?
なんかテツがいてもこれだからな…
何か作戦ねらねぇとまずいぞ。
てかあああ!!
黄瀬といい、なんだってこんなにも難しい事考えにゃいけんのだ!!
今の俺はいつもと違う焦りがじわじわと襲ってきて居心地が凄く悪かった。
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