「何?結局全面使うの?」
「ゴールぶっ壊した奴がいんだってよ!」
「はあ?…うお!マジだよ!!」
バ神がリングを壊したせいか、結局全面コートで試合をすることになった。
それのせいで周りはザワザワしていて落ち着きがなかった。
「クックッ。確かにありゃギャフンっスわ!監督のあんな顔初めて見たし!」
と、バ神に黄瀬が、笑顔で話しかけてきた。
なんだよ。ギャフンって…
話が全然見えないんだが…
「人をナメた態度ばっかとってっからだつっとけ!」
バ神と黄瀬は俺にかまいなく話を進める。
そこへテツがやってきて、
「火神君…」
「んだよ?」
「ゴールっていくらするんですかね?」
お財布を片手にバ神の方へやってきて、さもお金がないように百円玉を人差し指と親指に挟ませて涙目でこっちをみていた。
「え!?あれって弁償!?」
「僕、今月、白井君にハー○ンダッツ2個も奢っちゃってお金ないですよ……」
「大丈夫テツ!バ神が壊したんだから、バ神だけ請求されるって!つか、そうする。」
「あぁそうですよね!」
「っておい!俺が全額払うのかよ!?」
「だって壊したのバ神DA☆RO!」
「無駄に最後格好付けんなー!」
「どっちが、格好付けてんだ!
格好付けすぎて、ゴール壊したんだろーが!だから、バ神は馬鹿って言われんだよ!」
「てめぇーいいかげんにしろよ?バ神バ神って。うるせーんだよ!」
二人の白熱した、喧嘩を止めるべく、黒子は考えたが、自分より体格のいい、男いや、動物二匹を自分だけでは止めるどころか、跳ね返されてしまうと考え…
「(近くには……あっ)」
そう黄瀬―。
「黄瀬君。とりあえず、これ止めてください…」
「え?俺がっスか?」
「これじゃあ、試合が再開できないです。」
「…………そうっスね!」
少し考えて黄瀬は、
二匹の動物のもとへ。
「白井!火神!2人とも、いいかげんにするっス!!試合が再開出来ないっス!!!」
「「あ゛?うるせー!!」」
「………黒子ーっちー!!(泣き)
あの人達怖いっスー!!」
説得しようとしたが、
呆気なく黄瀬撃沈……
「黄瀬君…もういいです。僕1人で止めます。」
と、そこに、海常の方から……
「………黄瀬!ちょっとこい!」
まあ、それもそうですね。
メタボの武内さんはお怒りのようです。
そうして唯一止められる人がいなくなってしまったわけですが、
さて、どうやって彼らを止め……
「お前らは、いつまでいがみ合ってんだ!」
―パーンチ―
結局2人を見かねたのか、主将がパンチ(結構本気の)をいれ、白井君は左頬を、火神君は右頬をおさえてそれぞれの場所へ帰って行った。
「それでは試合再開します。」
審判の合図により、スタメンのメンバーはそれぞれコートに入る。
「やっと出やがったな…。」
「スイッチ入るとモデルとは思えねー迫力だすなオイ…」
「…伊達じゃないですよ。中身も…」
そのモデルとはもちろん黄瀬のことで、
先ほど武内さんに呼ばれた張本人だ。
テツがいうように、中身も伊達じゃねーよ。実際。
コピー能力だっけか?
まだ未熟だけど、それは発展途上。つまりまだ伸びしろがわかんねぇのがやっかいなところかもな…
カントク驚いてるな…逆に俺は違う意味で驚いてんぞ。
この人たちのおかげで…
「「きゃぁぁあああー!黄瀬クーン!!」」
なっ!
なぜ女子はあんなに騒げるのだ?
これじゃあ、
ハッピーセットならぬ、
発狂セットで有名なCM
くらい叫んでんじゃん…
(わかりずらい説明しないで!!)
?一瞬アイツ俺を見た?
つかなんだよその顔は。
これから試合に出るんだろ馬鹿が。
俺の中は何故か黄瀬が一瞬見せた表情がずっと渦巻いていてそのあとのダンクなんか気にもしなかった。
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