「…ってあれ?"バ神"じゃん」
昼休みも後半で、お腹いっぱいになったところで、先生に呼ばれてたのを忘れて慌てて行くと途中の渡り廊下で、昨日あれからずっとどっちがバカかを競ったライバル…バ神(火神)に鉢合わせしてしまった。
「あ、白井……
つかなんだ、そのあだな」
「…あ、なに持っとるん?」
「質問答えろよ!お前、大丈夫か?」
いつもより疲れていたせいか、とにかくバ神がもっている紙について知りたくて、先を急いだ質問をしたら、珍しくバ神に心配されたので、
「いやいやお前よりは頭大丈夫だ。」
と言ったらコメカミあたりに青筋を浮かべて無言で俺の隣を通り過ぎていった。
「おい!無言で去るな。その紙の意味だけでもいいから教えて下さい!」
「……知らねー」
―スタスタスタ―
「…何キレてんだよ!…"火神タイガ○マスク"〜」
「伏せ字使うようなあだな付けんな!!」
呼び名を変えて再度呼んでみたらこれまでにないツッコミをもらうことができた。
でも正直呼ぶときに"ピー"やら"バキューン"みたいなやつを入れなきゃならないスタッフさんも大変なんだよな〜と思いつつも楽しいのでもう少し遊んでみることにした。
「じゃあ、"火神タイガ○マスク"と"バ神"どっちがいいんだよ?」
「どっちも嫌にきまってんだろ!?
なんだよその二択!!しかもなんでお前開き直ってんだよ」
「他には、"ファイヤーゴッド"とか"火神タイガ○ウッズ"とか…」
「ファイヤー…ちょっとかっけーな…
って、お前は、ましなあだなつけれないのか!?
あだなじゃなくて、普通に呼べ!!普通に」
さすがに昨日一晩ではこれくらいしかネタは考えていなくて嫌々と駄々をこねられた。
「もういいやテツに決めてもらう!テツ〜どれがいい?」
そう言ってバ神(仮)の隣にいるテツに話しかけたら火神タイガ○マスク(仮)は大声出して目の前が図書室なのをお構いなしに怒鳴った。
「テメーは!いつから、ここに!
つーかいたなら、白井!!いえ!!!!」
「し―っ」
「うるさいな〜歩きながらだったから、分かりずらかったかもだけど
図書室の前だろ!ファイヤーゴッド(仮)もっと周り見ろよ!」
テツは人差し指を唇にあてて、俺は両手を耳にあてて注意したら、火神タイガ○ウッズ(仮)は少しイラつきをみせ、テツにだけ頭グリグリの刑をくらわしていた。
たぶんさっき注意したときにファイヤーゴッドって呼んだから俺は免れたのだと思った。
うわっ単純だ。
「あ、そうだ、テツ。職員室付き合ってくれない?」
「あ、いいですよ。」
「じゃあ行こう!」
「あ、そっちじゃないですこっちです。」
そんなこんなでなぜかテツにグリグリとやり終えたバ神が手を離して考え込んだので、話はもうテツから聞けばいいかな?と思って先生からプリントをもらう用事を、先に済ませようとしてテツを道案内人に任命し職員室に向かった。
もちろんそのあとのバ神の話は聞いていなかったし、聞く耳も持たなかった。
「テツ〜あのバ神(仮)が教えてくれなかったんだけどさ〜あの紙なに?」
「あ、あれですか…というかなんですか?そのあだな。」
「昨日一晩考えた末がこのあだな!
でもまだ仮なんだ…他に"火神タイガ○マスク"ってのがあるんだけど、テツはどっちがいい?」
「前からおもってたんですけど、ネーミングセンスなさすぎですよ…」
「えーどっちも気に入ってんだが…まあ、そんなことは言わず、どっちがいい?」
「…じゃあ、流石に伏せ字は可哀想なので、"バ神"の方がいいと思います。」
「じゃあ、バ神に決定!!」
用事も終わらせて先程通った廊下を歩く。
忘れてたものを思い出したかのように、先程聞けなかった本題をテツに投げかけると、答えはあっさりと本入部届だと言う。
なんか、入学の時のやつは仮入部届で、まだ俺達は本入部したことにはならないらしい。
まぁその紙はカントクのクラスに行けば、カントクがくれるらしい。
で、バ神はあそこの道を来たわけだな。
「で、本入部届ってマネージャーも必要なの?」
「必要ですよ。」
「めんどく(ry」
「と思って一応二枚もらっときました。」
「テツっ!!ありが10匹!」
「(白井君方向音痴過ぎて、1日でカントクのクラスにたどり着けるか心配だったとはさすがに言えないです)」
「よし、じゃあさっそく書いて渡しに行こうぜ!」
「あ、それなんですけど、受け取るのは月曜日の朝8:40の屋上でらしいです。」
「え?……はぁ?」
なんか色々とめんどくさい学校だったんだなと思ったのは俺だけじゃないはず!
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