―マジバーガー店内―


「…なんでいんだよ…」

「僕が座ってる所にキミが来るんです
好きだからですここのバニラシェイク。」

「どっか違う席行けよ」

「いやです」

「仲いいと思われんだろが…」


今日もここに火神と黒子が相席していた。


「あっれ〜ってまた君ら2人相席しちゃって仲いいんだな!」



「ちがっ!ほらみろ!仲いいと思われただろうが」

「だって先座ってたのボクですもん」

「………(ムカッ)」

「………?何事?」

「いえ、こっちの話です…」

「……そっか」


火神は一瞬俺の方を睨んでふてくされたようにハンバーガーをほうばった。
そして、一つ食べ終わったらしい火神がテツの方にハンバーガーを一つなげた。


「…ホラよ」

「?」

「一個やる
…バスケ弱い奴に興味はねーが、オマエのことそれ一個分位は認めてやる」

「…どうも」


「フッ…本当はお前ら仲良いだろ!」

「うるせ!」



少しちゃかしてみたが別に面白くはなかった。
でも旧友が褒められるのは結構嬉しい。




―ガーッ―
[ありがとうございましたー]
―シュウ―


「うわ!外暗っ星見えるし!」

「本当ですね。雨もあがりましたし。明日は天気良さそうですね」


久しぶりの星だった。
あっちだとよくアイツと見た。
嫌なことがあったり、
もうケンカをしないと誓った日も。
星があった。
そう思って少し泣きそうになったのを我慢して、テツの話に頷いた。




「…キセキの世代ってのはどんぐらい強ーんだよ?」

「……」


いい雰囲気で星を眺めていると唐突に聞かれた。


「じゃあオレが今やったらどうなる?」
「…瞬殺されます」

「ははははは!」

「もっと違う言い方ねーのかよ…」



「ただでさえ天才の5人が今年それぞれ違う強豪校に進学しました。まず間違いなくその中のどこかが頂点に立ちます」

「「…ハッハハハ」」

「…白井!?」


「オレそうゆうの覆したくなるタイプだから、すっげーやる気になってきたね。」

「ああ、ホント…いいね火ィつくぜそーゆーの」



「「決めた!そいつら全員ぶっ倒して日本一になってやる」」


白井と火神はお互い顔を見合わせて、ニヤリと笑った。


「ムリだと思います」
「ぅおいっ!!!」
「なんでだよテツ!
俺と一緒なら百人力だぜ?」


「はあ〜」

黒子はため息を吐き、深く息を吸って……

「というか、火神君は潜在能力だけならわかりません。でも今の完成度では彼らの足下にも及ばない、一人ではムリです…
それに白井君、確かに白井君と一緒なら百人力です…けど白井君マネージャーですよね?」


さすが黒子とでもいうように、一息であれだけのセリフを言ってのけた。



(あぁそうだった…)

白井は言われてから数秒で足の力が抜けて、地べたに座ってしまった。

テツの言葉はごもっともすぎて、言い返す言葉すら見当たらなくあえなく撃沈した。



「白井君、選手としてバスケやればいいじゃないですか…」


それが無理なんだよ…
テツ…
いくら普通に走り回れるからって言っても部活のバスケに関しては医者が首を縦てに振ってくれない。



「…プクク…っつかオレとハモっといて、格好いいセリフ言ったのにそれ以前の問題じゃねぇーか!!
オマエ、バカだろ?本当はバカだろ?」

「うるせー!バカガミに言われたくないねっ」

テツの質問の答えそっちのけで笑っている火神にムカついて言い返す。

だいたいお前人を馬鹿にしすぎなんだよ!


「んな!バっバカガミ?!」

「ふんっ、事実を述べただけだ!バ・カ・ガ・ミ!」


「テメっこのっ「…ボクも決めました」…ん?」


……?


「ボクは、脇役[影]だ。…でも
影は光が強いほど濃くなり光の白さを際立たせる
主役[光]の影としてボクも主役[キミ]を日本一にする」


「「はは言うな(またハモった!)/ハッ言うね(またハモってるし。)」」


「勝手にしろよ」
「頑張ります」


「俺も選手じゃなくて、マネージャーだし一緒にコートで戦えないけど、日本一に絶対なる。
っつーか、俺は日本一のチームのマネージャーになるぜ!!もちろんテツ達と!」


「ふぅんいいんじゃん?」

火神は鼻で笑って、テツは微笑んでくれた。


「それに、バカガミには、負けたくねぇしな!
先に日本一になってやるよ!」

「なんだとー?
つーか、俺たちのマネージャーなら、先に日本一になるとか無理じゃね?」

「…………っ」

「ププ…今気付いたのかよ!やっぱりオマエバカだろ!!」

「うるせー!バカガミ!」

「さっきからバカバカうっせーぞ!!」



「というか、そのくだり、そろそろ止めてくれませんか?」





新たな決意―。
と――。



次はあとがき。


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