―翌日―
生憎の大雨…


「5対5のミニゲームやろう!一年対二年で。白井君ビブスと得点板、用意して。」

「はい。」


昨日あのあと、俺はカントクにケガのこと、鬼城中のバスケ部のことを全て話した。

(ひかれたと思ったけどひかれてない?)


とにかく言われたどおりにビブスを部室に取りに行き、淡い系統と濃い系統のビブスをそれぞれ五枚ずつ持ってきた。

それを手渡ししてると、一年生の方から、


「去年一年だけで決勝リーグまで行ってるって…!!」

「マジで…!?」
「…ゴク…」
「フツーじゃねぇぞソレ」


とそんなのが聞こえてきた。


「なあ、別に普通じゃない方がよくね?」

「「え?」」


「だって、敵が弱くて楽勝で勝つより、強い方が楽しいじゃん?
はいよ。ビブス。」


俺は弱気になってる同じ学年に青いビブスを渡した。


こういう負けても先輩達だからしょうがない。とか、相手が強いんだからしょうがない。とかが一番嫌いだ。

だから余計なお世話って感じだけどつい口を挟んでしまった。

(生意気だと思われちゃったかな?)


「白井の言うとおりだ!ビビるとこじゃねー
行くぞ!!」



白井が思ってるようなこともなく、
ミニゲームが始まった。





―ガツン!―

「……うおっっ」


「うわぁマジか今のダンク、スゲェ!!!」


「(想像以上だわ…!!あんな粗けずりなセンスまかせのプレイでこの破壊力…!!)」


「とんでもねーな、オイ…(即戦力どころかマジで化物だ…!!)」


「一年がおしてる!?」


ミニゲーム開始からずっとあの巨人君一人でバスケをやっている。


ダンクが出来るとか凄いんだと思う。だけど、いくらなんでもそのうち潰される。
まぁ当の本人はテツを気にしてるみたいだけど。



―バチッ―

「スティール!?またアイツだ!しっかりしろー!」


「(意味深なこと喋ってた割にクソの役にも立ちゃしねぇ
ザコのくせに口だけ達者っつーのが…)一番イラつくんだよ!!」



(俺はお前が一番イラつくけどな…巨人君…)


火神の荒削りなプレーは白井の中では好きな方だ。
なのに今の彼を見ているとイラつく。
理由は分からない。


「もう火神止まんねー!!」

「…わけにはいかねーなーそろそろ大人しくしてもらおうか!」




「三人!?」


やっぱ動いたか。
ボール持ってなくても二人。
フリーがいるはずなのに、声がない。


結局、巨人君の攻撃が抑えられ、あれよあれよと点数が離れてしまった。
そして、


「ピピーー!」




前半終了の笛が鳴った。

結果は、一年…15点、二年…31点。

ダブルスコア以上の差がついた。

少なくともあとの後半で8本は入れなければならない。
まぁ、二年生も攻撃するから、それ以上かな。

そんなことを考えてたら、いきなり怒鳴り声が聞こえた。


「…………もういいって…なんだそれオイ!!」
「ひいっ!」


声がする方を向けば、巨人君がキレていた。

原因は、他の一年生による先輩相手に勝てるわけがないから諦めようという空気。

そして、

「もういいよ…」

その言葉で火神はキレた。


―コンッ―
「落ち着いてください」

「………!?」

「テツ!よけろー!」


その声に黒子は後ろにさがり、火神は声のする方に顔を向けた。



「っ!?」

「ロケットキーーック!!」



――ドーン――
「ガフゥー!」



「「(――!?なななななにしてるんだ、この人?!)」」



一瞬周りは何をしたか分からなかったが、
火神に白井のロケットキックが顔面に思いっきり決まったことを思い出し、火神の周りに大丈夫かと集まりだした。


※よい子のみんなは真似しないでね。




顔を抑えたままプルプル震えてる火神。
大丈夫だろうか心配の周りはオロオロ。

としていたら、


「イッテぇぇぇぇぇぇーーな!!
なにしやがんだ!テメーら!!!」

「「ヒザカックンです/ロケットキックだが?」」


「……テメーら
てーかなんで白井まで!?」

「え?なんか苛ついたから…」


「……お゙ま゙え゙なぁ?」


「火神やめろ!それよりも、血!止血しろ!」


で、結局たいしたケガじゃなく、鼻血程度ですんだので、ミニゲームを再開した。



―二年生側―

「なんかモメてんぞ」

「白井なにやってんだよ!」
「つーか、さっきのロケットキック綺麗に顔面にきまってたぞ?」

「大丈夫か?火神…」

「(白井君ってあんなキャラだったけ?それにしても…)」

「つか、黒子もか…そーいやいたな〜」

「(審判の私も途中から忘れてた…
…んん!?あれ?マジでいつからだっけ!?)」






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