ラグビー興味ない!?
日本人なら野球でしょー
将棋とかやったことある?
水泳!!
チョーキモチイイ!



冬も終わり、春になった。
新しい仲間に、新しい制服、そして、新しい学校。

そんな出会いの季節にここ、私立誠凛高等学校では、新入生を勧誘しようと各それぞれの部員たちが集まり、校門までの一本道は人、人、人でごった返している。






「凄い人…めんどいな。」

この男もその一人である。






―男子バスケ部ブース―



ここには前髪をピンで止めている、あきらかに"女子"生徒が椅子に座っていた。



「…バスケ部ってここであってますか?」


「っう…うんそうだけど…」


とそこに、先程の男が現れた。

その男は背は普通身長なものの、誰も人を寄せ付けさせない、話しかけさせないオーラが出ていて、たぶんそのおかげでめんどうな勧誘はこの道を通っている間は少なかったのだろう。
意外な速さで目的地まで着いていた。


「…あぁ、マネージャーかなんかですか…?」

「あ、いや、えーと…」


女子生徒が言葉を詰まらせたのには、理由があった。

今、目の前にいる男は、まるで不良のようで、髪を白く染めていて、尚且つ耳にはいかついピアスをあけていた。


そしてなぜか、黒い眼帯をしている。

なぜか。



「……あ、そうなるとマネージャーってもういりませんか?」


そんな考えをよそに、
彼は聞いてきた。

「…あっいや、ごめんごめん。大丈夫よ。助かるわ」


予想もしていなかった言葉かのように彼は目を丸めた。


「いや、でも、」

「あ、私マネージャーじゃないし。」


「――え?」


「よし。そうと決まれば、じゃここに名前と学籍番号ね」


「(よくわからないけど結果オーライってことで)
――あとは…出身中学と動機…?」


「あ、その辺は任意だからどっちでもいーよ」


「わかりました。――じゃあ俺はこれで」


「あっうん、分かったわ。」


こうして、男はめでたく、部のマネージャーになった。




「…この中学どっかで…白井 遊…。」






そして…

「きっ来ました……新入生…」

「バスケ部ってここか?」


ここにも。




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