「元就クン、この可愛い子誰?」

「嫌ね、長曽我部クン。彼女に決まってるわよ、彼女。そうでしょ?」


元親と濃姫のキャラが違う。そんな事は知らない名無しはやっと笑顔を浮かべた。


「はい、元就さんとお付き合いさせて頂いている名無しと…あの、皆さん?」


彼女の口から"お付き合い"という単語が出ると皆の視線は元就に集まった。特に元親からは殺気立った視線が降りかかってくる。元就は全てを諦めた。


「学校のクラスメートと担任だ」

「そうなんですか?あ、元就さん、学校の方々には教えてなかったんだ」


頬を膨らませ元就を睨む真似をする名無し。元親からの殺気が強くなった。見かねた伊達が口を開く。


「Ah…取り敢えず邪魔になるから帰ろうぜ」


良く言った伊達!此奴等をさっさと連れて行くのだ

そんな元就の願いも虚しく、濃姫は伊達の言葉を無視して名無しの手を取った。


我の名無しに気安く触れるでない

相手が濃姫でなければ言えるこの言葉は元就の頭で警鐘の様に響いた。


「私は濃姫よ。元就クンは良い人だから大事にしてあげてね。泣かされたら何時でも言いに来て良いわよ。お仕置きしてあげるから」

「よろしくお願いします、濃姫さん」

「俺は前田慶次!よろしくな」


笑顔で答える名無し。彼女のお仕置きとは拷問の間違えではないのか。そう思った瞬間濃姫に睨まれたので目を反らした。


「可愛い彼女じゃねぇか。大事にしろよ、元就クン」

「離さぬか」


元親は元就に肩を組み、低く後でお話しようやと囁いた。幸村はどうすれば良いのか分からず取り敢えず濃姫達と名無しの中に入っている。


「元親、止めろ」



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