だが。
探せども探せども、あの二人は見つからない。
そればかりか、骨折しかしない。一時間に一回のpaceが15分に一回のpaceに跳ね上がっていた。
ギャグじゃなきゃ、俺は確実に死んでいる。
「Shit……!また……trapか………よ!」
前回は深さ5mはあるだろう落とし穴、今回は上から教壇。
この学校の奴等は、よほど俺を殺したいらしい。
そう思ったのは、俺の今現在の状況で心が弱ってるせいだと思いたい。
必死に努力したら、それが報われる───とは限っちゃいない。
『キーンコーンカーンコーン』
鳴り響くは、必死の捜索───つまり努力をいとも簡単に無駄なこととし、ある人を喜ばせある人を地獄に突き落とす、devilのchime。
校門付近で蹲っている俺に近付いてきたのは、例の二人。
心なしかニヤニヤしている。
「貴様の敗北だな、伊達よ」
オク……毛利がいっそうニヤニヤしながら言い放つ。
蹲っている俺に心配容赦、一切なしだ。
「あァ、認めるよ。…………ちなみに、アンタ等は何処にいたんだ?」
そうだ、勝敗などこの際二の次。俺が一番気になったのは、探せども探せども見つからないような場所のことだ。
俺がそう問うと、毛利が。
「そんなもの、ファミレスに決まってるであろう」
と一言。
「………………What?Would you say that agaih?」
「だから、ファミレスだ」
思わず聞き返すと、あっけらかんと言葉が帰ってきた。
「ファミレスって、family restaurantのことだよな?」
「それ以外に何がある」
もう一度聞き返すと、こんどは苛立ちを含んだ言葉が帰ってくる。
「ルールに学校敷地内のみってないでござるからな!」
…………Thanks 幸村。
おかげで更に聞き返さなくてよくなったぜ。
「そうだよな、ruleに敷地内のみって書いてなかったな。…………アハ、アハハハハハ…………」
笑うしか出来ねェ。
たとえ毛利がドン引きしていようと、幸村が本気で可哀相なモノを見る目で見ていようとも関係ない。
そう思いながら俺の意識はblack outした………。
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