屋上を一通り探索して誰もいないと確認し、屋上を後にする。
小十郎も謙信以外知らないようなので、フラフラと校舎内を彷徨う。

家庭科室に入ると、冷蔵庫の中身の食材を食べようとしている寮管前田利家と、それを必死に止めている文化部部長がいた。

「Ah‐……何してんだよ、お前等」

一応コイツ等もBASARAキャラなので話し掛ける。

「あ、独眼竜!利止めてよ!」

「…………前田利家&その甥、見つけたぜ」

なんのことか分かるが、敢えて触れない。そして小十郎に前田のヤロー二人を任し、とっとと退散する。
小十郎がいなくなり、また一人になる。
次はscience roomに行く、か。



何故、science roomに心臓のformalin漬けやら脾臓のformalin漬けやら小腸のformalin漬けやらしか並んでないんだ?。
……………science roomだよな?formalin roomじゃないよな?
心配になってきた。

「誰もいねェことを頼むゼルガディス!」

また例のtrapか。大腸と肝臓のformalin漬けが落ちてきた。畜生、俺そろそろ泣くぞ。
つーかゼルガディスってなんだコラ。

「…………………」

頭の中で叫ぶことほど哀しいことはないな。
そう思いながら大腸と肝臓のformalin漬けを退し、人探しを再開する。そろそろ精神的にヤバい。

formalin漬けの棚を避けるように練り歩き、探す。すると。

「ふふ……奇麗ね………」

「いいいいい市、ははははははは早くこのような場所からでで出ようぞ」

青い顔をしてガタガタ震えている風紀委員長浅井長政と、眼球のformalin漬けをウットリと眺めている風紀委員お市のキテレツカップルがいた。

「見つけたぜ、お二人さん?」

「ッギャァァァァァァァ!!」

少し声をかけただけなのに、長政は悲鳴をあげ泡をふいて倒れてしまった。逆にお市は、俺にも長政の悲鳴にも気付いていない。
どんだけ眼球のformalin漬けに夢中なんだ。

「おい?」

「あ…………独眼竜。見つけられてしまったわ………長政さま………?」

肩をチョンチョンとつついて声を掛けると、ようやく俺の存在にも長政が倒れているのにも気付いたようだ。

「なんか声掛けたら絶叫して泡ふいて倒れたぜ?」

「長政さま、こういうホルマリン漬けとか苦手だから…………」

そういいお市は、長政を引きずっていった。
俺はそれに続くように、science roomを後にした。




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