盗撮が犯罪って知ってますか?

あの、ある意味危ない戦士と旅に出て数日。
すでに幾度と野宿を重ねている

この岩場だらけの平野に運よく湖などもなく、何日も体を洗えていない。
女子としてはそろそろ己の体臭が気になってくるのは必然で
曲がりになりにも、変態であっても一般以上の顔面偏差値のある男が
すぐそばにいるのである。気にするなというのが無理がある。

「勇者さんすごくくさいですね」
「いうなばかぁ!!!!!!」

今一番言われたく事をずばずばと言ってくる戦士に思わず睨みつける
するとなぜか顔を赤くして

「そんな目で見ないでくださいよ勇者さん…照れる」
「お前の性癖がおかしすぎて嫌になるよ」
「まぁ冗談はさておき。本気で臭いのでどうにかしてください」

わりと真顔でそう言われたものの、どうしたらいいというのだろうか

「ぼくだってどうにかしたいけど、街までまだ遠いんでしょ?」
「はぁ、そうですね。」
「じゃあ無理だよ。ぼくにはどうにもできないもん」

そういって少しでも早く進もう足を進め用とすると、戦士に肩をつかまれた
顔を向けると少しだけ離れた場所にある森を指さしていた

「森がどうかしたの?」
「森なら、泉くらいあると思いますけど?」

そこで水浴びをしろ、と?そんなの

「お前がいるのにできるわけないだろ!?」
「バカ言わないでください。そこまで外道じゃありませんよ」

そういう戦士を信じ、今日は森の中で一夜を過ごすことにした
森に入り歩いていると、木々の合間からオレンジの光が差し込んできて夕方になったのだと告げられる
するとちょうどよく湖を発見したので、その近くで野宿をすることになった
戦士が食べれるものを、ぼくが小枝を集めることになった
迷子にならない程度の距離を小枝を求めて歩く
しばらくそうしているとどこからか視線を感じであたりを見回すが
木が茂っているだけでこれといった変化もない。
気のせいかと自己完結をして作業に戻る





これぐらいあればいいだろうと戦士の元へと戻る

「ただいま、いいのあった?」
「まぁ森ですから……勇者さん、何かありました?」
「へ?何かって?」

いったいなんなのだろうかと思い聞き返すと
何もなかったのならかまいません
そういって食事の準備を始めてしまったので、あわてて手伝いをする

ご飯も食べて、戦士が先にどうぞというのでお言葉に甘えて水浴びの準備をする
絶対に覗くなよ!
と念を押すが、ふんわりとした返事しか返ってこない
まぁなんと返事されようが、来たら来た時と諦めるしかないのだが…

服を脱ぎ、皺を伸ばすように軽く伸ばす
湖の淵に衣類とタオルを置きゆっくりを体を沈める
お風呂ではないので冷たいわけなのだが、やはり水でも浴びると気分が違う

鼻歌でも歌いたいぐらいの気分で体を洗っていると不意に近くの草むらが揺れた
とっさにタオルに手を伸ばして、そちらに視線を向ける
明らかに動物ではない何かがいるようで。
今のこの場で考えうるのは自分以外だともうあいつしかいない
タオルを身体に巻き、草むらに近づく

「覗くなって言ったのに何してんだよ!」

いまだに出てこない相手に怒鳴ると、ガサッという音と共に腕をつかまれ引っ張られる
短い悲鳴を上げながら身を任せていると勢いよく木のみきに背中を打ち付けられた
痛みで歪む視界で必死に前方を見据えると、思い描いたのとは違う光景が広がっていた

「っ!?」
「なかなかに勇ましい嬢ちゃんだな」

見慣れた変態戦士かと思っていたのに目の前には見たこともない男が居た
何をどうしたらそうなるのかわからないムキムキという効果音がよく似合う筋肉を付けた男が居た

「まさかこんな人里離れた森の中で生娘に会えるとはな」
「生娘って…」
「ロリコンの趣味は無いが、そう贅沢もいってらんねぇしな」

こちらの意見を無視してぶつぶつと何かを言っている
逃げようにも両腕が頭の上でぎっちりとつかまれており身動きもとれない
すると男の手がぼくの胸元に伸びてくる

「っな」
「まだわけぇし、これから成長するだろうしなぁ」

すると痛いぐらいにぼくの胸を握りしめてくる
慣れてきたわけではないのだろうが、次第に痛みではなく興奮にも似た何かが襲ってくる

「いっぁ…」
「ちっさい方が感度もいいっていうしなぁ…これはこれで」

ぐにぐにとされていると次第に体に巻いていたタオルが重力に従っておちていく
見知らぬ男の目の前で生まれたままの姿をさらすことになり、思わず視界がゆがむ
それすら相手にとっては興奮材料になりうるのか、足に何か固いものが触れるのがわかった

「や、めろよ」
「ほぉ?元気だなぁそれもどこまでもつか」

太腿をなでまわしてくる男の手に嫌悪感が募る
男の手がどんどん上に上ってくるのを感じながら、力いっぱい目をつむることしかできない
こんな時に頭に浮かぶのは母親の顔でも父親の事でもなく

「ろ、す」
「何オレの許可なく襲われてるんですか勇者さん」

すると腕を圧迫していたものが消えたのがわかり、へたりと地面に座り込んでしまった

「大丈夫ですか?まぁ見なくても大体わかりますけど」
「なんだお前は!」
「人のモノ(おもちゃ)に勝手に手だしておいてえらそうに」

何やら不吉なものがかっこの中に見えたが今は気にしている暇もなく
すると男は何かよくわからない自己解釈を始めたようだった

「なんだもうお手付きか…まぁ生娘はいろいろと面倒だしな…」
「はぁ、なんだかめんどくさそうな思考のおっさんですね…
 勇者さん、ちょっと目閉じててください」


と疑問に思う間もなく見たことないぐらいの笑顔でこぶしを振りかざす戦士に
思わず見知らぬ男に同情してしまうのは仕方がないことだと思う。





少しして鈍い音が聞こえなくなり、恐る恐る目を開けると
どこかすっきりしたように、肌がてかてかしている戦士が謎の威圧感を醸し出しながら
拳をどこから出したかもわからない布きれでふきながらこちらに歩いてくるところだった

「まったく、やっぱり何かあったんじゃないですか」
「はぁ、それは…」
「とりあえずいい加減タオル巻いてくださいよ。痴女ですか?」
「え…あぁ、ごめん」
「…反応薄いですね」

なぜか不機嫌そうに口にする戦士

「だって、どうせぼくの体になんて興味ないでしょ?いつもすんごい美人さんにナンパされてるし」

いつも隣でその光景を見ているのだ。
自分よりもっと大人で、落ち着いてて、顔もきれいで出るとこでて引っ込むところは引っ込んでいる
いわゆるナイスバディと言われる人に声をかけられているのをよく見る
だからぼくみたいないわゆる幼女体系なんかに興味ないだろうと
そう思い口にすると、なぜか険しい顔つきになる

「そんなんだから貴方は…」
「戦士?」

言われた通りタオルを巻いていると不意に戦士に抱きしめられた
突然の事で軽く脳がパニックに陥る
にしてもなんでこいつはぼくと同じくらい身体を洗って居ないはずなのに、体臭がそこまで気にならないのか不思議だ

「勇者だなんだいっても、貴方だって女性なんですから、もっと自分を大事にしてくださいよ」
「大事にしない代表格が何言ってるのさ…」
「今だってたまたまオレが近くに来たから助かったようなものですよ?」
「う…それは…ありが……っておいなんで近くに来たんだよ覗くなって言ったよね!?」

雰囲気に流されてうっかりお礼をいいそうになったが、よくよく考えると
野営をする地点から湖は少し距離がある。
声が聞こえないということはないが、普通の話声ではおそらく届かない位置だと思う。

「なんでって、了承した覚えありませんし」
「屁理屈だ!!!!!!!!!」
「そのおかげで助かったんだから文句言わないでください。襲いますよ」
「…っ」

いつもなら怒鳴って頭叩いて、不本意だが結局戦士に言いくるめられるぼく。という
非常に不本意なことになるはずなのに
戦士の口から、襲う。の単語がでただけで身体が震えるのがわかる
見たこともない男に、ふつうなら見られることも触られるもないところを
無遠慮になめまわすように触られる感覚が、今でもうっすらと残っている

あぁ気持ち悪い、今すぐにでも湖に入ってその感覚が消えるまで
体中をこすっていたい衝動に襲われる

それに気づいたのか、背後に回された手で泣いている赤子をあやすように
優しく叩かれる

「すみません、さすがに今のは無遠慮でしたね。」
「せん、し」
「大丈夫ですよ、さっきのやつには生きてることを後悔させましたし。
 このあたりにオレたち以外の人間はいません、だから





 早くそのコンプレックスだらけの体オレの眼前に晒してくださいよ
 目に焼き付けるので」
「今までの感動とかなんか…そういうの返せよ!!!!!!!!というかコンプレックス!?」
「恥ずかしがらないでいいんですよ?
 勇者さんが街でオレに声をかけてくる女性に恨めしい視線を送ってくる事だって前々から
 知ってますから。そんなに気にしなくて大丈夫ですよ?
 育てるのだって好きですから」

パァァアアア!!という効果音でも付きそうなぐらいいい笑顔で失礼なことを連発する戦士に
正直ため息しかでない。


盗撮とは違うけど、視姦も犯罪だと思うんだけど、知ってますか?






今回も名前変換なくてすみません
 

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