学パロロスアル♀

 

とても有意義な時間を彼女の幼馴染に邪魔されて、少し残念に思いクレアと共に帰路につく
母親は早くに亡くなっているし、父親も今出張中で家にはオレしかない。
夕飯どうするか、と悩んでいると携帯の電子音が部屋に響く。
もう陽もくれているのになんだと忌々しく携帯を見ると

アルバ

愛しい愛しい部長の名前がディスプレイに表示されていた
部長から、電話がかかってきた
ただそれだけの事なのに妙に緊張してしまって唾を飲み込む

長い時間そうしていたような気もするが、着信が止まらないうちに通話ボタンを押し
携帯越しにいるであろう彼女に声をかける

「……部長?」
「せん、ぱいっ」

携帯越しだからだろうか、妙に艶めかしく聞こえる。
そんな声を聴かされるとオレのオレが大変なことに

「どうしました部長。便秘ですか?」
「ちがっ…なん、か…おかしくて」

今日はいつものキレのあるツッコミが聞けずにちょっとさみしいと思い始めたぐらいだったが
部長がうちに来てほしいというので少し待っててくださいと伝えて
少しトイレにこもってから部長の家に自転車で向かう
無理だったらいいけど
とは言われたが、部長直々のお宅訪問許可である。これを逃す手はない。
部長の家には初めて行くが、彼女の幼馴染の家には何度か足を運んだことがあるので場所はバッチリだ。

もっと早く隣にあんな可愛い人が住んでると知っていたらと思うと
後悔しか生まれないが。

部長の家の前に着きインターフォンをならすと、電話の時よりいつものトーンに近い声で
鍵開けておいたから、入ってきて
と言われたので遠慮なく中に入り、鍵を閉める。

…いや他意はない。
ただ自分の家でも帰ったら鍵を閉めるのが習慣になってるだけで別に部長と何かをするわけでは

自分に謎のいいわけをしながらとりあえず廊下を進むとリビングに出る
どうしたものかと思っていると、ソファー向こう側から部長の頭が出てきた
家の中だから帽子もかぶっておらず、学校で見た耳がまだご健在だ

「先輩、あの…いきなりすみません」
「大丈夫ですよ、他でもない部長のお願いですから」

はずかしがっているのか口元はソファーでさえぎられていて見えないが
位置的に部長が上目使いでこちらを
ネコミミ生やした部長が上目使いでこちらを見ていてオレのオレがもう

近づこうとすると部長が待ったをかけてくる。
いったいなぜ呼ばれたのかも定かではないのだがオレにどうしろというのか

「あ、あああああの!階段上がった突き当りがぼくの部屋、だから先にそっちに行っててもらっていい、かな」
「かまいませんが…それは部長の部屋を隅から隅まで漁っていいってことですねわかりました任せてください」
「だめぇぇぇぇぇえええええええええ!!!!!!」

笑顔で親指を立ててそう返事をすると部長が飛びかかってきた
いやだな部長、確かに下着とか拝見しようと思ってましたが中身にしか興味ないので盗んだりは…
そう伝えようと彼女の方を見て口を開いたが言葉がでてこなかった

部長が学校とは別のフォイフォイと色違いだろうか、オレンジのパーカーを着ていて
可愛い。可愛いがそれどころではない。

「…部長パンツ穿いてますか?」
「パンツは穿いてるよ!?」

ぼく痴女じゃないから!という部長を無視して
素早く彼女のひざ裏に腕を差し込み持ち上げる。
いうところのお姫様だっこである。
顔を真っ赤にして何かいいたげに口をパクパクしているが
構ってる場合じゃない。一大事だ

階段を上がり突き当りの部屋のドアを開けると
女の子の部屋としては幾分か質素な部屋だったが、そこが彼女らしくもあった
窓際に配置されているベッドへと彼女を下すとそのまま押し倒す

「せ、んぱい?」
「部長、どれだけオレをあおれば気が済むんですか」

すまんフォイフォイ
そう心の中でつぶやいて彼女の太腿へと手を伸ばす
部長は今男性用パーカーだけしか着ていないようで、すぐにお目当ての場所に指が当たる

「や、せん ぱい」
「部長って淫乱だったんですね、知りませんでした、これからされる事妄想してたんですか?」

違うという言葉とは裏腹にすでに彼女の下着は意味をなさないぐらい濡れていた

「部長、こんなの穿いてて気持ち悪かったでしょ?脱がしてあげましょうか?」

いいというわけはないだろうと思っていたが案の定真っ赤な顔をゆるゆると横に振って意思表示をしてくる
そんな姿すら可愛くて仕方がないなんてオレはもう末期なんだろうか
腿から横腹に、そしてさらに進もうとすると部長が待ったをかけてくる

「どうしました?やっぱりパンツ脱ぎたいんですか?」
「ち、が…せん、ぱいなんで…」
「なんでって…自分から誘っておいて何言ってるんですか?」

予想外にポロポロと泣き出してしまった部長に仕方がないと理性を総動員してベッドに座らせる
彼女の背中を優しくたたいていると落ち着いてきたのか涙が止まったようだ
オレを家に呼んだ理由を聞くとぽつぽつと話し出した

「なんでなのかは、わからない、けど…部室でのこと…考えてたら胸がきゅーってなって
そしたら先輩に、会いたくなって…」

たどたどしく話す彼女を見ていると、自分はさっきまでこんなきれいな子を手にかけようとしていたのかと若干の後悔が襲う

「フォイ兄には…先輩だけは家に入れるなって、言われてたんだけど…でも会いたくて
先輩が家にくるんだなって思ったらなんか、体が熱くて、落ち着かなくなって」

それでズボンを脱いでいたのだという。
今も先輩のお尻から生えているしっぽを見ると少し毛が逆立っている気がしなくもない。つまり・・・

「…部長、発情期の猫みたいですね」
「へ!?」
「本当に猫みたいです」

可愛くて愛しくなって、引き寄せておでこに口を寄せると部長の方からオレに抱き着いてきた
それと同時にやわらかい感触が伝わる

「…部長、もしかして今ノーブラですか」
「っ!?」
(やっぱりさっき途中で止めなければよかったか…)
「こ、これはその、あの…」

考えている事が顔に出ていたのかどうかはわからないが必死に弁解してくる部長がとても可愛い。
可愛いがいまだに生足…というかパンツも見えているのでそろそろやばい。

「部長、ちょっとトイレ借ります」
「え?う…うん。」
「戻ってくるまでにズボンか・・できればスカート穿いててください」

先ほど部長の部屋にくるまでに横目でトイレを確認していたので
そういえば着たままだった上着を部長の足の上に置き部屋を出る。


――――――――――



「…シオン先輩、怒っちゃったのかな」

いきなり呼び出されてナニかをやる気になったのにそれを止めてしまった。
ほかでもない自分のしたことではあるが罪悪感が募る
自分の膝の上に置かれた先輩の上着をじっと見つめると
先ほど落ち着いた感覚がよみがえってくるような気がした

変態くさいと自覚しつつも先輩の上着に鼻を寄せると
当たり前だが先輩のにおいがする
先ほどの事を思い出して顔が熱くなるが、それ以上に先輩が来る直前の感情が高ぶる

初めて会ったのは入試の時
当日は勝手知らぬ学校の階段から足を踏み外して落ちた自分を
われ関せずと見なかったことにしたこともできたのに助けてくれて、しかも道案内までしてくれた1つ上の先輩
ちょっと髪質は固いけどきれいな黒髪に着れ長い赤い目整った顔
そんな人と出会えて、しかも幼馴染の友人で
彼がいるためか入部希望者が後を絶たない部活も幼馴染のおかげで入部することができた
シオン先輩に好意を寄せている女子から冷たい視線を向けられたこともあったが
クラスメイトやヒメちゃんやフォイ兄、クレア先輩に励まされて

部長

シオン先輩がそう呼んでくれる度に元気が出た
そして今自分のわがままで読んだ先輩に迷惑をかけている

正直恥ずかしいし、どうせなら先輩と想いが通じてからそういう行為に及びたい気持ちもあるが
先輩が自分を好いていてくれているのかが分からない今では、あのまま流されていた方がよかった気もする



たとえ話せなくても先輩を遠目から見られただけでも
セクハラされるけど近くで話せるだけでも
シオン先輩の目に自分が映ってるだけで幸せで
先輩の気持ちがほかの人に向いててもかまわないと思ってたのに

ぼくはどんどん欲がでてくる

とりあえず先輩に言われた通りスカートを穿く
ズボンでも穿こうかと思ったがそういえばできればスカートと言われたと思いスカートを選んでしまうあたり重症だ

先ほどと同じ位置に座り先輩の上着を抱きしめる。
そしてまた足の付け根が落ち着かなくなる
下着もわざわざ変えたのに、また変えなくてはいけなくなると思う自分の気持ちとは裏腹に
先輩の上着を持つ手と逆の手は自分の胸に伸びていく






――――――――――




そういえば部長、学校で見たのと違うパンツ穿いてたな
もしかしてすでにお風呂に入った後か、一度パンツを変えた後だろうかと考えてながら部長の部屋へと戻る
ノックもせずにドアを開けると思わず目を疑う

健全なる男子たるもの、一度は妄想するはずの現場に出くわすだなんて今日で世界は終わるのか
それくらいの衝撃である

部長が、好きな女の子が、自分の上着のにおいを嗅ぎながら

頭で状況を整理していると部長がこちらに気づいた
と思ったらサーッという効果音が聞こえるように一気に熱が覚めたみたいだった

それでも上着を握りしめている彼女に近づき、顔を覗き込むと大きな目に涙をためていた
声をかけると小動物のように飛び上がる

「ご、ごめん、なさいごめんなさいごめんなさい」
「部長…」
「ごめ…なさい…」

ひたすら謝る彼女を抱きしめる
むしろ謝るのはこっちの方なのに

ごめんなさい

まるで謝ることしか知らないかのような彼女
涙をためていた目からぽろぽろと落ちていくそれを見て
言い知れぬ感情が湧き上がってくる

「部長、謝らないでください」
「っごめ…」
「貴方がそんなふうになると、どうしたらいいかわからなくなる」

怖いのか、寒いのか、またはその両方か
小刻みに震えていた彼女を抱きしめると抵抗こそされないものの受け入れてももらえていない

「さっきの、怖かったですか?気持ち悪かったですか?」
「ちが、うのっ…ぼ、く先輩、の…」

抱きしめている彼女を少し、話、視線を下に持っていくと
彼女の谷…はひとまずおいておいて…胸にぎゅっと抱きしめられている先ほどまで自分が着ていた上着
先ほどの行為の事を誤っているのだろうか、別にそんなことは気にしないのに
むしろ――

「部長、さっきの事なら謝らないでください」
「…?」

意味がわからないというふうに首をこてんとかしげる彼女
そんな彼女がかわいすぎて自分を自分で制御できなくなるのを必死に理性でつなぎとめる

「その…嫌じゃ、ないですから」
「え」
「むしろなんていうか……あー」

言って、いいのだろうか。弱ったところに入り込むような気がして、どうしたらいいのか身動きが取れなくなる
もし今この場に彼女の幼馴染か、自分の幼馴染が居たら
キャラじゃない
と爆笑されていただろうだが、それほどまでに必死なのだ
自分が、目の前の、彼女に

オレが自分との戦いに没頭していると、つまらなかったのか
真意のほどはわからないが、彼女がぎゅっと抱き着いてきた

「っぶ、ちょう?」
「先輩のにおい…落ち着く」

正直こちらは落ち着かない。というか部長本人も本当に落ち着いているのだろうか不思議だ
なぜなら、いまだに彼女に生えてるしっぽは毛が軽くさかだっている。

ちらりと机の上のカレンダーを見ると、今日は金曜日なのだ。
確か前に部長から
「うちのお母さん、金曜の夜から月曜の夜まで、仕事で帰ってこないんだ」
という話を聞いたことがある。だから今日、やってきたのだが
明日は土曜日で部活もない。
ここまで考えると健全な男子としてはもうヤってしまうしかないのではないだろうか。

「部長、怖かったら、嫌だったらいやだって言ってくださいね」
「?」
「オレのこと、頭全力で殴っても蹴ってもいいので、約束ですよ」

少し寝ぼけたような、何のことかわからないという顔をする部長を再び押し倒す。
いまだに涙の渇いてない目じりに口を寄せるとやっと状況を理解したのか、ゆるく抵抗される

「せん、ぱい?」
「いやですか?」

そう聞くと顔を赤くして何かをいいかけているがうまく言葉にできないのか
口をぱくぱくさせている

「い、いや、っていうかその…逆っていうか…」
「何か言いました?」

最後の方がうまく聞こえなかったんですが
そう伝えると
べ、別に何もいっへないれす!
と舌ったらずに返事をされる。
あぁもうこの人はいったいどれほどオレを虜にしたら気がすむのか。

意を決して部長の唇に自分のをあてがう。
正直な話、オレは今まで異性と付き合ったことがない。
いやないことはないのだが、こういうことをしたいと思うほどの相手はいなかった。
キス自体も初めてというわけではないが
自分が心を寄せている相手とは、これが初めてである
今までしたキスした相手より一段とやわらかくて、暖かくて

結構な時間そうしていたような気もするが、本来は数秒しかたっていないのだろう
名残惜しく部長から離れると

「……部長?」
すーすー

彼女から安らかな寝息が聞こえてきた
恨めしそうに時計を見るともう12時を回っている。
いったいいつのまに。とも思うが彼女にしては夜更かししすぎたのか
ほんの数秒前まで起きていたはずなのにすでに爆睡である。

「まったくあなたって人は」

すやすやと眠っている彼女を抱きしめ、ベッドに上りそのまま寝る体制に入る。
いったいいつから眠っていたのか、キスをしたことは覚えているのか
いろいろと疑問はあるが、一人で考えても仕方がない。

オレをこんなにした罰です。
そう思いながら瞼を閉じると、思っていたより眠かったのか
すぐに意識がフェイドアウトしていった。





――――――



うっすらとした息苦しさを感じて目を開けると
目を開けたはずなのに目の前が真っ暗だった。
そして鼻から通って伝わってくるこの匂いは恋い焦がれたあの人の

(…えっと…どうなってるの、かな)

なぜか僕を抱きしめて眠っている先輩を起こさないように細心の注意をはらってベッドから抜けると
当たり前だが普段見ることができない先輩の寝顔がそこにある

「寝ててもかっこいい…」

思わず見とれてしまったが、いったいどうして先輩と抱き合って眠っていたのだろうか。
昨日の夜、先輩の上着のにおいをかいで…その…あれをしているところを本人に目撃されて

「それで押し倒、されて…」

眠かったせいか、そこからの記憶が曖昧なのだ。
何かされたような気もするが…
そういえば寝て起きたらネコミミとしっぽも消えている。
不思議な事だらけだ

もう一度先輩の顔をのぞくが、切れ長の目が開く様子はない

「……シオン、先輩」

本当は、敬称なしに呼べるようになりたいと思うその名前を口にし
眠っている先輩のほほに口を寄せる。
少しして離すが、やはり寝ている相手とはいえすごく恥ずかしい

思わずほてってしまった顔を手で仰いでいると、すこしかすれた低い声が耳に入る

「……アルバ?」

普段呼ばれない自分の名前を呼ばれ肩が跳ねる
当の本人はそれに気づいてないのか、怪訝そうに眉間にしわを寄せている

「先輩、おはよう、ございます」
「…………あぁ、はい、おはようございます」

昨日自分の意識が跳んでから何があったのかとても気になるが、流石に恥ずかしくてきけない








にゃんにゃんお(完)

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