ロスアル♀


※イメージとしては1章のルキたんと出会って少ししたぐらいです。
ロスさんは変態。










久々に街に付き、久々の宿に泊まる。
暖かいご飯を頬張り、久々の湯船につかると、今日の戦闘でできた真新しい擦り傷にお湯がしみる。

お風呂から出て、もう部屋を出る用事もないだろうと黒のタンクトップに下はパンツだ。
ルキももう寝てるだろうし、こんな時間に誰かが訪ねてくることもないだろう。

髪の水分を取りながら脱衣所のドアを開けると

「長風呂でしたね」

そこに居るはずのない旅の同行者が我が物顔でベッドを占拠していた

「え、お前なんで」
「明日の事で相談しにきたら部屋のドアが開いていたので。
 それにしても本当に不用心ですね、パンツずりさげていいですか」
「いい訳ないだろ!?」

指摘されて自分の身なりを思い出し、急いで脱衣所に戻りスカートを穿く
スカートの金具を止めていると背後でドアが開く音がした

「あぁ、穿いちゃったんですね、手間ですがそういうのも嫌いじゃないですよ」
「何が!?というかさっきから何言ってるの!?」
「何って…普段幼女がいるからと発言できないあれやこれを」
「聞いたぼくがバカだったよ…」



「で?えっと…明日の事だっけ?」
「はい、また次の街まで距離があるので、明日一日この街に滞在して準備をしようと思うんですが」

脱衣所から出てベッドサイドにある机に地図を広げて二人で覗き込む。

「うーん確かにちょっと距離あるね、今日ギリギリだったから前回より多めに買った方がいいかな?」
「そうですね、かさばりますが、途中で行き倒れるよりはましです
 明日の朝ちょうど市場が開かれるらしいので買い出しに行きましょう」
「そんなのいつ聞いてきたんだよ…でもそういうことなら明日の朝早く起きないとだね」
「そうですね」

会話の最中も、そして途切れた今も。
ロスの視線が痛い

「…ねぇ戦士」
「ロスです」

戦士、いやロスは、ルキが旅に加わってからというもの
二人っきりの時はぼくに名前呼びを強制してくるようになった
ぼくとしては何も不都合はないのでいつも承諾している。
…ただなんだか照れくさくはあるけれど

「……ロス」
「なんですか?勇者さん」
「さっきからどこ見てるの」
「どこって





 勇者さんの胸です」

目の前の、世間一般的には好青年に入るイケメンは少しも顔を崩さず、視線もそらさずにそう言い放つ。
残念なイケメンとは彼の為に用意されている言葉なのではないかと疑ってしまうほどだ

「何言ってんだバカ!」
「バカとは失礼な、貴方ほどじゃありません
 それと勇者さん」

失礼なのはお前だ!そう思っていると
備え付けられていた椅子から腰を浮かせて、ベッドに座っているぼくの隣に腰をおろす。

「その言葉づかい、どうにかなりませんか」
「どうにかって?」
「もっと女性らしくしゃべったらどうですか?」
「女性らしくって…」

今までその必要もないと思い、母親もそうだったのか特に言葉使いを指摘されたことはなかったのだが
目の前にいる残念なイケメンはそれを望んでいるらしい。

「ってお前この手はなんだよ」
「何って……自分へのご褒美?」
「意味がわからないよ!」

どうするべきかと悩んでいるとあろうことかロスはぼくの…その…

「おっぱいって言えない勇者さんかわいいです」
「言うなばか!!」
「って言いながら離そうともしないんですね。」

特に何かするわけでもなくそっとぼくの胸に手をそえているロスにどうしたらいいのかまるで分らない。
これで何かしてきたなら無理やりにでも引き離すが…たぶん。

「勇者さんはノーブラ主義ですか?なら明日から昼間も全力でセクハラしますね」
「は!?違うよ!昼間はちゃんとつけてるよ!寝るときはさすがにしないだろ!?」
「それもそうですね…ねぇ、勇者さん揉んでいいですか?」
「ダメだよ!?さっきから何言ってるの!?」
「自分の願望を」
「正直すぎる!!」
「勇者さん声でかいです」

胸に当てている方とは別の手で口をふさがれる。

「ルキが起きますよ、それとも聞かせたいんですか?」
「聞かせるって…」
「1から10まで聞かないでください。それとも聞きたいんですか?そういうプレイをお好みで?」
「ちがっ!?」

ロスの言葉を否定しようと声を出すと同時ぐらいにやわやわと胸に刺激を与えられる
びくりと体を震わせると満足したように口元をゆがませて
さっき口を押えていた方の手がふとももへと伸ばされる

「ロス待って」
「……なんです」
「あ、明日、朝早いんだし、そのっ」

いろいろと鈍感だの遅れてるだの言われるぼくでもさすがにこの先何をされるかはわかる。
明日は朝早くから買い出しに行くと先ほど決めたばかりだというのにこれでは意味がないと思い
すでにその気になっているロスに静止をかけると普段の彼にしたらわかりやすいほど不機嫌そうに顔をゆがませた

「……はぁ仕方ないですね今日はあきらめます」
「今日はって…」

冷めかけていた熱が再び頬に集まってきた。
ぼくの戦士が淫乱すぎる。

「諦めるので一つお願い聞いてください」
「な、何…というかぼくばっかりお願い聞いてる気がするんだけど」
「あぁ、それもそうですね…何かあるんですか?オレにお願いしたいこと」

あまり意識せずにしただけに改めてロスに聞かれると変に意識してしまう。
何かってえっと…えーっと…

「ないんですか?」
「あ、るよ!その…ロス、もさ」
「ちゃんと言ってくれないとわかりませんよ?」
「う、ん…あの…名前」
「名前?」
「……や、やっぱりなんでもない!なしで!」

のどまで出かかっていたが、よく考えるとそれは非常に恥ずかしいお願いなことに気が付く。
納得していない顔をしているが、損になるわけでもないので放っておいてくれることを祈る

「じゃあオレのお願い、聞いてください。」
「うん、何?」
「勇者さん抱き枕にして寝ていいですか?」
「…は?」

この残念なイケメンは本当に突拍子もない事を言ってくる

「正しくは勇者さんの谷間に顔を埋めて寝たいです。」
「言い直さなくていいよ!」
「で、いいんですか?ダメなんですか?」
「……どうせ嫌って言っても聞いてくれないんだろ」
「その通りですよ、わかってるじゃないですか」

諦めてロスに向けて腕を広げると少し嬉しそうに抱き着いてきた。
少し硬めの髪がくすぐったく感じる
このままだとスカートにしわが…と思うが、さすがに異性を目の前にして脱ぐ気はない。
というかせっかく諦めてくれたのにぶり返してきそうだ。

「おやすみ、ロス」
「おやすみなさい………アルバ」

よほど眠かったのかわからないが、すぐに寝てしまったロスの言葉に、人知れず顔が赤くなる。
ぼくの気持ちなんてすべてもろバレなのかと錯覚してしまう。
今夜は眠れるだろうかと思いながら瞼を閉じた。






[ 5/9 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -