なんていうか、不毛。ただ、ひたすら手を伸ばしているって言うのに、この手は空をきるばかりで何もつかむことはできない。嘘。手に入れたものもあるわ。寂しいとか悲しいとか、色んな負の感情、とか。悲しすぎて笑えないわ、ほんと。いや笑ってくれて全然いいんだけどさ、全っ然。
この間の八月二十六日授業なんて、出席番号26だから同じだったから当てられると思って予習バリバリしてきたって言うのに、「じゃあ、今日はマヨネーズくさいから土方君」ってどういうこっちゃァアアア!!危うく土方君と一緒にシャウトするところだったし・・・いや、待てよ。もしかしたら私に気を遣ってマヨネーズくさい土方君に当てたのかもしれな「それはありえませんぜ、あいつに限って」ですよねえ、わかってますとも。わかってて好きに、な…
「なんすか、いきなり黙って気持ち悪ィ」
「…なんであんたになってんの」
「あの女は土方さんのとこ行きやしたぜ」
マジでか、綾ちゃーんっ。確かに会いたいとか何とか宣ってやがったけどさ、付き合ってるとか宣ってやがったけどさあ!畜生、やっぱ違うなかわいいお嬢さんは!あぁ、どっか近くに愛しのあの人はいらっしゃらないかしらんんっ。「あ、銀八」え、嘘!あ、勢いよく振り返り過ぎて首痛い。って、そうじゃないそうじゃない。先生あんなに重そうな足どりでプリントの束運んでる。手伝わなきゃ「先せ、」ん、あれ、前に進めない。痛い首を捻ると視界に入る、蜂蜜色にうんざり。人の手掴んで、何このドS、人の恋路邪魔しないでよ。思えば中学で同じ委員会に入ってから、後輩の癖にからかってくるし、いつも一つ上の階の教室に来たりして何か付き合ってる噂も流されて色んな弊害を生み出しては面倒くさがる私をニヤニヤ嘲笑う、ほんとに嫌な後輩。
「いつもいつも、何で」
いたた、さっきよりも力いれやがって若干涙目なんだけど!「先輩」え、なしたの、そんな顔して。あんたが泣きそうな顔しないでよ。ってかそれで演技とか言う冗談って有りそうで油断出来ないから末恐ろしい。
「いい加減こっちにも追いつかせて下せェ」


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