私を悩ます、これは、なんでしょう。

ヒント1:それは夜を不安定にします。
ベッドに横になったら、ちょうどいい温度が眠気に誘うから、ゆらゆら、時にぐらぐら揺れる。薄ぼんやりしてわからなくなった時、そんな時に、頭に受かんでしまうのは、悔しいけど彼だったりする。もうかれこれ一週間は会えていない、いとしの彼。おかしいのは、付き合い始めた最初の頃は一ヶ月開いても、忙しいしと割り切れてたのに、今更下唇をぎゅっと噛んでしまうような気持ちが、たった一週間ぽっちで芽生えてしまうこと。それは不思議だ。誰もがきっと、思い知ることだけど、全く、不思議だ。
思い返せば、付き合ってもう1年が経とうとしてるけど、未だに一緒の夜を迎えたことはなくて、まあ、そりゃあ相手は真選組副長さんだから、しょうがないんだけど。でも、不安が遅いかかってくる。もしも、今、女の人と一緒だったら?

ヒント2:ドラマとか画面の中のそれは女の子を強くするらしいです。
じゃあ、この夜を越えたら、何にでも、例えば一人の夜の寂しさにも、勝てるくらい強くなったりするんでしょうか?毎日こたえの見つからない問答を繰り返す。その内、眠って朝になって、そんな問い掛けすら咀嚼しないまま、丸のみして、何もなかったみたいに過ごす。

そうです、これは恋です。ひたすらに、一途にあなたへ向かう恋です。だから切ないんです。



会いたいなんて言えない、忙しいのはわかっているから。子供っぽいなんて嫌われたくないから。私が何もかも飛び越えて行けたらいいのに。ベッドの中でそんな機会を伺っている。夜を食いつぶしながら。







◇◆◇







結局、夜は終わった。また、私は朝から始まる日常に戻る。希望を捨ててはいけない。だけど、希望的観測をしても身を滅ぼす。だから会いたいとしか願わない。でもそんな願いは時に通じる。



「…土方さんだ」



偶然街で見かけたのは、隊服姿だった。仕事中だったら、声は掛けれない。ならば、ここから見ているだけでいい。やっぱり会えても切ないは消えない。

それでも、今日の夜は乗り越えて行けそうな気がした。






(20110305:恋が愛に向かう途中)

BGM/ドッペルゲンガー ∴チャットモンチー


ほぼ勢いで書きました。曲のあの雰囲気を出したくて頑張ったら誰夢でも通用するくらいの土方さんの存在感←
もっともっと、不思議とゆるゆるとしてる感じを書きたかった…!
いつか書き直したい



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