「じゃあ梦原が窓側で獄寺君の席はあそこの……、」
なんちゃって病弱の演技が効いたのか窓側の席を無事にゲットできたようですヤフー!!しかし先生が席の指定をしてる間になぜか獄寺は窓側の席の方に進んでいく。え、ちょ、おまっ…空気読め!え?何なの?獄寺もツナの隣がよかった系ですか?え?そんな馬鹿な。
「ちょ、獄寺くん…!」
お前の席はあっちだ的なことを病弱キャラ風に言おうとしたのだが大きな音に遮られてしまった。何事か。
「でっ!」
……そーいやツナの机が蹴られるんだったっけ?うわ、まじでハズいぞこれ。獄寺とツナの隣の席を取り合うことになるかもしれないと思ってガチで止めに入ったからな。うわ、羞恥で死ねる。顔が熱い。
わたしの心、獄寺知らず。ツナの机を蹴って満足したらしい獄寺は何事もなかったようにスタスタと指定された自分の席へと向かっていった。アイツまじムカつくぞ…!ただの逆恨みである。いつまでも教壇に立ってるわけにもいかないからわたしもとぼとぼとツナの隣の席に向かったが、みんなからの視線が痛くて仕方がなかった。お、俺を見るなぁ!!見るんじゃない!!!
「よろしくね」
「…はぁ」
「……人の顔見て溜め息はないんじゃない?」
失礼なことにツナはわたしの顔を見て盛大に溜め息をついた。結構傷つくんだけど。ショボーンとなりながら席に着いてカバンの中身を机に移した。教科書はボンゴレクオリティーのお陰で全部揃ってるから机をくっつけて見せてもらうという美味しいイベントは発生しません。泣きたい。
SHRの終わりを告げるチャイムが鳴った時に隣から何か聞こえた気がした。
「……あの転入生」
低い声で呟かれたそれは獄寺に向けられた言葉だろう。心の中で獄寺に合掌しつつも触らぬ神に祟りなしだと思い、1時間目の準備に取り掛かろうと後ろの席の男子に声をかけた。
「1時間目に何やるのか教えてもらってもいいかな?」
親切に教えてくれました。
横が見れない(怖い怖い、何か禍禍しいオーラが見えるんだけどわたしだけ?)(みんな見えてない系?)
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