噂をすれば影がさすとはよく言ったもので、彼はSHR開始3分前に職員室に現れた。


「うわっ!」


全力で戸を開けたのか、とんでもない音が職員室に響いた。驚いたわたしは女の子らしからぬ声を出してしまったが、そこは大目に見てほしい。ていうか見ろ。


「君が獄寺だな。遅かったじゃないか」
「ああ?」
「……い、いや、なんでもない。なんでもないよ、うん」


先生は獄寺を叱ろうとしたらしいが、眼力に負けて態度が畏縮した。銀髪の不良ルックの奴にメンチきられたら誰でもそうなるよね。しょうがないよ、うん。だがわたしは敢えて勇気を出して立ち向かう!第一印象って大事だもんね、ファミリーの先輩としてナメられないように頑張ります!


「獄寺くんはじめまして!わたしは梦原琴玻って言うんだ。同じ転入生同士よろしくね!」
「………」


はいシカトー!勇気を出した割に声が震えてたわたしの言葉は綺麗に無視されました。予想してたからダメージは少ないんだぜ!すごいだろ!………え?すごくないの?


「………」
「……………」
「…、……」


上から獄寺、わたし、先生の順である。三点リーダのみの会話なんて中々あるもんじゃないよ!先生なんて何か喋ろうとしてたけど、変に場の空気読んじゃって言葉つまらせたもん。


「…えーと、先生。教室行きませんか?そろそろ時間ですよね?」
「そ、そうだな!梦原の言う通りだな!」


あまりにも沈黙が気まずかったから喋ってみたら、先生も乗り気で安心しました。さっき発言に失敗してたもんね。
ぶっちゃけ獄寺と仲良くなるよりツナとの再会の方が大事だとわたしは思ったわけです。だって獄寺に対して今やれることをやったけど無駄だったんだもん。もう構ってやらないよ、面倒だし…………ごめん、嘘だから石投げないで!とりあえずわかったことは不良って怖い。




 





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