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 春様へ フリリク(黄黒)


「黒子っち、好きっス。誰よりも、何よりも黒子っちのことが」


そう彼から告げられた言葉に、僕はただ唖然とするしかなかった。




ュワュワとける





「黒子っ!!!」


そう叫び声が聞こえた時にはもう遅く、後頭部に鈍い痛みが走った。


「いっ」
「大丈夫か!?」


コロコロと転がるボールと、バタバタと駆け寄ってくる火神くんを交互に見る。
火神くんは僕の頭に手をあて、髪をかき分けてたんこぶができていないか確認した。


「わるかったな、黒子」
「いえ、」
「というかお前、今日ずーっとぼーっとしてるよな?さっきもパス取り損ねるし」
「……それは、」
「ま、ちゃんと次はパス取れよ」


そう言って火神くんは僕に当たったボールを取ってリングにぶちこんだ。

ぼーっとしてる。火神くんにそんなことを言われてしまった。ぼーっとしてるよりも、考え事をしてるというような。
僕が大好きなバスケをしている時に、ぼーっとしてる理由は、昨日の出来事が原因である。





それは昨日の部活の後、急に黄瀬くんに呼び出されたんです。

呼び出された場所に行くと、案の定そこはバスケのゴールがあって。軽快なドリブル音とともに、豪快にリングにシュートされる。

ダンクをした張本人は、すたっと綺麗に着地をし、僕に気づくと笑顔を向ける。


「お久しぶりっス。黒子っち」
「…お久しぶりです。黄瀬くん」


黄瀬くんは挨拶をするとしゅっとボールをリングにほおった。ボールは綺麗な弧を描き、パシュッとリングにはいる。


「どうっスか?俺の華麗なシュート!」
「何の用ですか?」
「スルーかよ!!!!」


黄瀬くんはあははは、と笑うと転がったボールを拾い、くるくると指で回す。


「黒子っちに、どうしても伝えたいことがあって」
「…どうしても伝えたいこと?」
「はいっス」


黄瀬くんは回していたボールを取り、地面に置くと、僕と向き合った。


「黒子っち、今から言うことは本当のことっス」
「はい」
「ちゃんと聞いて下さいね」
「わかりました」


僕がそう言うと黄瀬くんは大きな息を吸い込んだ。


「黒子っち、好きっス。誰よりも、何よりも黒子っちのことが」


どこか悲しそうな顔で告げられた言葉に、僕は目を見開いた。


「突然こんなこと言われても困らせるだけってのはわかってた。だけど、どうしても伝えたかった」
「、黄瀬く」
「今のは忘れてくださいっス。じゃあ、俺は行くっスね」
「黄瀬くん!」


バタバタと彼は、そのまま帰っていってしまった。






(忘れてくださいっス、か……)

忘れることができたらどんなに楽なことか。こんなにも悩まされて、こんなにも考えさせて、でもどこか言われたことが嬉しくて。


(僕だって、君のことが…)


そう呟いた言葉を飲み込んで、体育館から見えるすんだ青空を見上げた。





ュワュワとける

(待っていて下さい)
(僕も、伝えるから、)





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春さんリクエストで、「黄瀬に告白されて戸惑う黒子」でした!
リクエストにそっているかわかりませんが、精一杯頑張りました。

フリリクありがとうございました!
これからも青空と小鳥とをよろしくお願いしますー!



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