2.ナツVSセナ!?
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ナツがいきなり叫んだ後、ギルドはしーんとなり、呆れてグレイが突っ込みをいれにナツの方に近いてきた。



「…おいナツ、お前今会ったヤツに普通そのセリフ言うか!?」



「うんうん」と横でセナも頷く。



「だって、コイツからスッゲェ強力な魔力の匂いがするから」

「「匂い!?」」




ナツは普通の人間に比べて鼻がとてつもなくいいのだ。



「そんな匂いしねぇぞ」

「いんやする!!てか早く勝負しよぅぜ!!」



「な?」とナツがセナの肩を掴んだその時、


「おい!!そこの桜頭!!気安くセナに触ってんじゃねぇ!!」

《!!?》



いきなり聞き覚えのない声が聞こえたかと思うと、セナのパートナーのペルがテーブルの上に立っていた。



「ペル!!あんた何で外に……」

「こんな獣みてぇなヤツと一緒にいさせられねぇよ!」

「ぬ、ぬいぐるみが喋った!?」

「カッケ〜!!」



ナツはペルをつかみ、高い高い(!?)をした。



「うぉ〜!!よく見ると可愛いじゃねーか!!」

「…てめぇ…」



ペルはピクピクと血栓を浮かべ、キレた。



「いい加減にしろーー!!(怒)」

「いでっ!!!!」



ペルはナツの顔面を蹴り、クルリと一回転しながら飛んでセナの肩に着地した。



「ペル…アンタも充分派手だけど…」

「すまねぇセナ!」
「開きなおらないでよ…」


ペルの蹴りで床に倒れたナツにセナは手を差し出した。



「すみません。大丈夫ですか?えっと…」

「俺の名前はナツだ!!」



サンキューと名前を名乗りながら立ち上がるナツ。



「お前は?」

「あ、自己紹介が遅れました。私の名前はセナです。」



セナはニコリと笑う。



「勝負は受けます。でもそのかわり…」

「?」



ナツはセナをじぃーっと見る。
セナはニヤリと笑う。その口からは鋭い八重歯が光る。



「ナツさんの"何か"を奪うケド、いいですか?」
「!!?」



その瞬間、ギルドが再びしんとなった。












「何だよ"何か"って」



ギルドがしんとなって、30秒くらいたつと、ナツの横にいたグレイが口を開いた。
セナとペルはグレイを見る。



「それは私の気分次第です。ナツさんの笑顔や強さ、涙などを奪ったりします。」

「でも、そんな事できるのか?」



ナツがそう言うと、セナは「ペル、ファーストモード」と唱えた。

すると今までぬいぐるみみたいだったペルが一変、かっこいい拳銃になってしまった。



「な、なんだぁ!?」



銃口はラッパみたいになっていて、真ん中はガラス張りになっており、その中にはなにやらニコちゃんみたいなビー玉が沢山入っていた。



「ペルにならできるわ」



今までと目つきも口調もがらりと変わったセナは銃をガチャリと構えながらナツをみた。



「さ、やりましょうか?」
「おう!!手加減はなしだぞ!!」



ナツはそう叫ぶと、セナめがけて走って行った。



「うおりゃぁ!!」



そして本当に手加減なしでセナに殴りかかる。



「うん。いい動きね。」



セナはナツの重いパンチを軽々よけて、ナツの後ろをとる。



「っ!!?」

「いただくわ。あなたのその"強さ"」



その瞬間、バアン!!とギルドに大きな音が響いた。



「えーー」



ギルドのみんなとナツが自分の目を疑った。
セナは銃を構えたままニヤリと笑っている。



「っ…!?」



ナツの体を"何か"が貫いているからだ。



「ナツー!!」

「…え?」



多少の違和感はあったものの、何か奪われた感じは全くと言ってない。



「何も奪ってねぇじゃねぇか〜!!」



とナツはガハハハ笑って再びセナに殴りかかる。



パシッ



「なっ!?」

「何が何も奪ってないって?」



ナツの重いパンチをセナは人差し指一本で受け止めていた。



「ナツのパンチを〜!!!?」
「指一本で受け止めたぁ〜!!!?」



ギルドは大騒ぎ。
ナツは固まっている。



「私はナツさんの"強さ"を奪っただけ。だから私が強くなったんじゃなくて、ナツさんが弱くなったの。」

「なんだと!?」



ナツはバッと手を戻す。


「まぁ、今回は可哀想だから返してあげる。ペル!!」



そう叫ぶとセナは再びナツに銃を向ける。


「っ!!」

「"返却せよ!!悪魔の名のもとに!!"」

「!」



その瞬間、なぜかグレイが眉をしかめた。
バアンと再び鳴り響き、ナツの体を白い何かが貫いた。



「…!」



そして再度体を貫かれたナツは、ヘタンとその場に座りこむ。



「戻った…のか?」

「わかったでしょ?」



ナツが気づく頃にはでこにあの銃が当てられていた。



「私の強さ」



フッとセナは笑った。









「つ、強い…!」

「ハンパねぇぞあの可愛子チャン…」



ギルドのみんながざわめきだすと、今まで黙っていたナツがにやけ顔で口を開いた。



「お前超強ぇ〜なっ!!ギルドにはいれっ!!」



「え」

「はいぃ!?」



ギルドの中にはみんなの叫び声が永遠とひびいた。



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