そばにいれるだけで
「……姫君…?」
きぃ、と静かにシンドバットは自室の扉を開けた。
今日は宴だった。
思った以上に長引いてしまい、酒も飲んでしまったシンドバットは、早々と酔ったといってシンドバットの部屋に帰っていった愛しい紅玉が、怒っていないか心配だった。
「…ん……シンドバット様…?」
案の定シンドバットのベッドで紅玉は寝ていた。シンドバットが呼び掛けると、どうやら起きたようだ。
「姫君、起こしてしまったようだね」
「いいんですのぉ。私、シンドバット様のこと待ってましたからぁ」
そう言ってふにゃりと笑う紅玉が可愛すぎて、思わずシンドバットは紅玉を抱き締めていた。
「し、シンドバット様?」
「すまない、寂しい思いをさせたね」
「いいえ、こうやってシンドバット様のお側にいれるだけで嬉しいですわぁ」
シンドバットか抱き締める力をぎゅっとこめてやると紅玉もぎゅっと力をこめる。
ちゅっとキスしてやると「くすぐったいですわぁ」と嬉しそうに上目使いで紅玉は言った。
シンドバットは紅玉をベッドに押し倒すとまたキスをした。
「ん、しんど、ばっとさ、まぁ」
「姫君……」
シンドバットは紅玉ににこりと微笑むと、「いただきます」といって再びかわいらしい唇に食いついた。
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初書きシン紅ちゃん。