episode3 落ちていたペンダント


高校1年の夏、7月9日。

昨日はとりあえず青峰と別れて、家に帰った。青峰には黄瀬、黒子に高尾のことを覚えているか、聞くように頼んだ。俺は赤司と紫原だ。
とりあえず俺の親に高尾のことを聞いてみると「新しいお友達?」と言われた。やはり覚えていないらしい。
秋田の高校に通う紫原に電話をかけてみる。やはり「だれー?」と聞かれた。
今度は京都の高校に通う赤司に電話してみる。「真太郎の友達かい?」そう聞かれた。赤司には少し期待をしていたが覚えていないらしい。
が、逆に赤司から「何故急に電話までかけてきてそんなことを聞くの?」と迫られ、誰にも言わないのを条件に全部話した。
赤司はどうやら信じてくれたらしく、「そうか」と言った。「僕は覚えていないけど、その高尾君が消えた原因を考えてみるよ」と言ってくれた。俺はただただありがとうとしか言えなかった。

そしてふと下を見てみると、俺の部屋に見覚えのないペンダントが落ちていた。
俺はペンダントなんてつけないし、持ってなんていない。おまけにそのペンダントは装飾こそ美しいが裏に変な文字で何か書かれていた。とても読めそうにない。どうやら日本語ではないらしい。外国語か、はたまた古代文字か。色々調べたがそれらしき文字は見つからなかった。俺はとりあえず引き出しにしまった。

そして、今日になって気づいたことがある。それは、写真から高尾が消えていること。
高尾と写っていた写真が、全て俺一人になっていた。

高尾が居たという証拠が、全て消えたようで怖くなった。



授業中にふいに携帯が振動した。先生に見つからないように携帯をひらくとメールが1件届いていた。送り主は、青峰。


『今日部活終わったら昨日の公園に集合な』


そう短く書かれた文。俺は『わかった』と書いたメールを送信し、パタンと携帯を閉じた。




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