お供しますよ!



「へぇ、名前は剣士なんだ!」

「うん」



ソファに座ってかれこれ30分。私はさつきと大輝と色々な話をしていた。

さつきは大輝と同じ、ブルー王国の人らしい。
元々宿を開くのが夢で、サファイアが好きだったから、この国に宿屋を開いたらしい。



「大ちゃんは武者修行のために旅してるんでしょ?」

「ああ」

「じゃあ名前はなんで旅してるの?武者修行?」



私は一瞬答えるのをためらった。
そんなに易々と姫です。とは言えないし、目的だっていえない。
どうするか迷ったが、情報を聞き出すいい機械だとふんだ。



「とある理由で、宝石を集めてるの。」

「宝石?」

「うん。あ、ねぇ、大輝、さつき、「青の涙」って知らない?」



私がそう問えば大輝は知らないような顔をしたがさつきはにこにこと笑ったままだ。



「青の涙?知ってるわよ?」

「っ、本当!?」

「 青の涙ってなんだよ」



さつきはちょっとまって、と立ち上がると、書庫、とかかれた部屋に向かっていった。



「なんでお前宝石なんか集めてんだ?売りさばくのか?」

「ちがう馬鹿」

「なっ、馬鹿ってなんだよ!」

「集めてる理由は言えないわ」

「なんでだよ。ま、言いたくねぇなら詮索はしねーが、多分、」

「多分?」

「さつきに聞き出されると思うぜ、なんたってアイツは、」

「お待たせ〜」



大輝の言葉を遮るようにパタパタとさつきが書庫から戻ってきた。
手には分厚い本が一冊、抱えられていた。
大輝の言葉には引っ掛かるが、青の涙の情報が先だ。



「なんだよ、その本」

「これは5つの涙についての本よ」

「っ、」

「5つの涙?」



さつきはぱらぱらとページをめくりだした。
どうして5つの涙のことを知っているんだろう。あれは一部の関係者しかしらないのに。
いったい、さつきはなにものなんだろうか。



「名前、これよ」

「!」

「青の涙?…って!」



ただのサファイアじゃねえか!!と大輝が叫んだ。
確かに本には青の涙と書かれている。だけどきらびやかに光るその宝石は滴の形にかたどられているけれど、どこをどう見たってなんの変鉄もないただのサファイア。



「そうよ。青の涙はサファイア。でも、そのサファイアは特別なのよ。」

「え?」

「どこをどう見たら特別なんだよ」

「外見だけ見たらただのサファイアね。それは、普通の宝石と見分けをつけなくするため。しかもこのサファイアはサファイアーネ王国で、最もいい鉱石がとれるという、あそこの最下層に、青の涙はあるといわれてる」

「! グランドフォールか!」

「グランドフォール?」



さつきの話をまとめると、そのグランドフォールで青の涙はGETできるらしい。だけどグランドフォールは強靭な魔物がいるから、簡単には最下層に到達できない。今まで何人も挑戦したらしいが、誰一人として生還した人はいないらしい。



「……グランドフォールね」

「おい、てめぇ行く訳じゃねーだろーな」

「行くよ。行かないといけない理由があるの。」

「お姫様、だもんね?」

「うん。そう。お姫様…っ!?」

「お姫様ぁ!?」

「うふふ」



がたり、と大輝は私を見た。さつきはさっきから笑っている。
え、なんで?まさか、どこでばれたの?



「5つの涙の情報はとっても貴重。普通の人間はまず知らない。でもあなたは知ってた。そしてそれを探しているといった。なぜ探しているか、目的は代替わかる。そして結論をいうと、あなたはムーンライト王国のお姫様ってわけ」

「まじかよ!お前お姫様だったのか!?」

「っ、」

「安心して。私たち口はかたいほうなの。」

「……………ご名答。全部あってる。じゃあ、私がグランドフォールに行くのを止めないで」

「わかった。止めないわよ。でもそのかわり大ちゃんを連れてって」

「は!?」

「大ちゃん強いから!」

「そーゆー問題じゃねーだろ!」

「じゃあ大ちゃんは名前を見殺しにするの?」

「わかったよ!行くよ!行きます!お供します!」

「えっ!?」

「頑張って〜」



どうしてこうなったのだろう、と、今でも後悔する……………(涙



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