彼の名前は青峰大輝 |
「いやぁ助かった!本当サンキューな!」 「い、いえいえ」 机の上にあった食事がみるみるうちになくなっていく。 私の向かい側に座っている肌の黒い彼は、嬉しそうに食べ物をほおばっている。 なぜ、私がこんな状況におかされているかというと・・・・・ **************** 「うっわああああ!!」 「・・・・・?」 え、あ!?ちょっとまって、なんで、なんでこんな人が倒れてんの!?しかも私けっちゃったし!!! なんだか私は怖くなって足早にその場をさろうとした。 ガシっ 「きゃあっ!?」 「・・・お・・い・・おま・・え・・」 青年の横を遠い過ぎようとしたのに、青年に足を掴まれる。 びくりとして悲鳴をあげてしまったが、彼はお構いなく私の足を掴んだまま、ゾンビのような声でいった。 「はら・・・へ・・・った・・・」 *************** 「本当、お前が通りっかってなきゃ俺は死んでたぜ!餓死ってやつか!?」 彼は空腹で倒れていた、というのだ。 おかしい、実におかしい。というか倒れるまで食べないってどんだけなのよ!!身なりからしてあからさまに剣士じゃん!腰から剣さげてんじゃん!! 「餓死しなくてよかったですね」 「ああ。まったくだぜ。とうか、お前名前は?」 「えっと、苗字名前です」 「俺は青峰大輝。よろしくな、名前」 青峰大輝と名乗った彼は未だに食事をしながら「あ、俺も呼び捨てでいーから」と付け加えた。 「で、お前剣士か?」 「え?」 「いや、腰から剣さげてんし」 「一応剣士です。そういうあなたも剣士ですよね?」 「ああ。というか敬語やめろ。キモチワリイ」 初対面のヤツに気持ち悪いっていうなよ、と突っ込むと彼はわりぃと言った。 彼と話してわかったこと。彼がブルー王国1の剣士だということ。武者修行で旅にでてること。そして私と同い年ということ。 同い年とは思わなかったけど、なんか親近感わいたかなーなんて思う。同い年だしね。 「というかなんで大輝は倒れてたの?あんな所で」 「ああ、さつきに怒られて・・・ってあ!さつきださつき!!」 「えっ?」 「すっかり忘れてたぜ!行くぞ!!」 「えっあっ!?わ、私も!???」 「ああ!なんかお前気に入った!」 「え、えええええええ!??」 腕を急に掴まれ、大輝は走り出した。その時、大輝はレジにお金払ってたから思ったことが1つ。 ・・・・お金あんのになんで倒れてたんだろう・・・・ |
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