プロローグ |
魔法と剣術で支配された世界。これが今私が生きている世界。 私の名前は苗字 名前。 ムーンライト王国の姫で、父と母と国を守ってきた。 草木が多く、観光客などでとても栄えた国だった。 国には国宝があった。なんでも、この世が闇に覆われた時に邪を払う宝石らしい。 しかもその宝石は世界中に散らばっている、「5つの涙」と呼ばれる5つの宝石をかざさないと力を発揮しないというじゃないか。ああややこしい。 小さい頃の私には、そんなことどうでもよかった。この世が闇なんかに覆われない。そう思っていた。 でも、そんな甘い考えは駄目だと、教えられた。 10年前、ムーンライト王国は滅びたんだ。ダークネス王国によって滅ぼされてしまったんだ。 小さかった私は、なにがなんだかわからず、従者についていくことしかできなかった。 国は消滅。生存者は私と従者のたった2人。 目の前で、父も母も殺された。 私は恨んだ。幸せだった時を、国を、父と母を奪ったダークネス王国を、国王を。 ダークネス王国の目的はムーンライト王国の国宝で。なんでも、世界を闇に染めたいらしい。だから、邪をはらうこの宝石が、邪魔だったのだろう。抵抗した父と母が目の前で切られた。返り値が顔につき、私は気を失った。 そして思ったんだ。絶対に、復讐する、と。 そして10年後。 小さな村で暮らしている私は、十分な魔法や剣術を身につけた。 あれから10年間、必死に覚えた魔法と剣術。そこらへんの魔物くらいなら一撃で倒せるくらいになった。 「それじゃあ、行ってくるね」 「・・・はい、お気を付けて。また、必ず戻ってきてくださいね、名前様」 「・・・うん。必ず戻ってくる!」 10年間一緒に暮らしてきた従者と家と村に別れを告げ、私は村のゲートをくぐった。 ・・・復讐するために。 |
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