いたい。
今、私はマヤに理科室に連れ込まれている。
手足を縛られ、いろんなところを殴られ蹴られ。
ああ、痛い、泣きそうだ。でも、泣いたら負けだ。絶対に泣かない。
「あんたといた赤髪の男もあんたから引き離してやる!」
「っ、なんでそこまでっ」
「バスケ部にちやほやされてるのが許せないのよ」
「それって、たんなる僻みじゃない!」
私がそう言うと、マヤは私をむちゃくちゃに蹴ってきた。
「いっ」
「私はアンタからすべて奪えたからっ」
「や、めっ」
「もう、あんたなんて消えればいいのよっ」
そう言ってマヤは近くにあった大きなビーカーを持って大きく振りかぶった。
ああ、殴られる、アレで殴られたら死ぬかな、
でも、死んだら楽になれるかな、この苦しみから逃れられるのかな、
大我のことだけが心に残るけど、いっそのこと、このままマヤに・・・・
「消えろっ!!」
私は目をつむった。
頭に激痛が走るだろう、そう思ったのに、
「・・・?」
痛くも、痒くもない。
マヤがおじけづいたのだろうか、と恐る恐る目を開けると、そこには、
「なっ、」
「・・・なにをやっているのだよ」
「み、緑間っ」
頭から血を流した、帝光中バスケ部、キセキの世代の緑間真太郎がいた。