あと何回夜を越せば


「んぅぁっ、あっお、みねぇっ」

「っ、みどりまっ」

「はっ、ぁっ、あぁぁぁ!!」

「っ、」



互いが本当に交わって溶けるんじゃないか、と思わせるくらい激しい行為をして。
緑間が先に果てて、後から青峰も果てる。
緑間は意識を手放したが、青峰は意識はあるようだ。はぁはぁ、と肩で息をして。
色々と後始末を済ませばどっと疲れが押し寄せてきて、すーすーと寝息をたてる緑間の横に青峰は寝転がった。

明日、いや、日付が変わったから今日か。緑間はアメリカに留学するらしい。なんでも、医学を学びに行くらしい。学校から選ばれたんだと。
1週間で日本に帰ってくるらしいが高校は違えど家はそれなりに近かったし、毎日会っては触れあっていた恋人同士だ。1週間も離ればなれはお互いキツイ。
しかもその話を青峰は昨日聞かされた。当然ビックリしたし、それと同時に怒りも込み上げてきた。なぜもっとはやく自分に言わなったのか、と。すると緑間は心配をかけたくなかったのだよ、と言った。
どこか悲しげな、泣きそうな表情で言うもんだから、青峰は自分の家に緑間をつれこみ、行為をした、と言うわけだ。

今日から出発というのに、緑間はまだすやすやと寝ている。そろそろ起こして、帰らせないと。もう外から朝日が差し込み始めてる。
青峰はそう思い、緑間を揺さぶる。



「緑間、起きろ」

「ん……」



もれた声に青峰はドキッとしながら起きろ、というと緑間はうっすら目をあける。
すると、時計をみた緑間ががばっと起き上がった。



「なっ!もうこんな時間なのか!」

「おー、そうらしいな」

「なぜもっと早く起こしてくれなかったのだよ!」



今時計は6時ちょっと前を指している。今から帰って荷物やらなんやらを詰め込んで学校に行くにはギリギリの時間だ。

緑間は服装を整えると青峰を見る。



「なんだよ」

「いや…これから1週間、お前に会えなくなるな、と思って」

「っ、」



ぎゅっと青峰が緑間を包み込むと、緑間は驚いたように体をびくりと震わすが、すぐに青峰の背中に手を回してきた。
だが、するりと緑間は手をはなし、「もう、行かなくては」と悲しげにはにかんだ。
青峰はぐいっと緑間をひきよせ、触れるだけのキスをする。そして、「いってこい、待ってる」とだけいって無理矢理緑間を部屋から追い出した。だって、泣きそうだったから。



あと何回夜を越せば

(君に会えるまで)
(あと7日)




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