今日の仕事は簡単なものだった。
「依頼人のなくした物を探せ」という内容。
探し物はすぐに見つかり、今はその帰り道。
今日はエルザが他の仕事で、ハッピーがシャルルとウェンディのお供ということなので、俺、ナツ、ルーシィで仕事に行った。
「今日の仕事は簡単だったわね!!」
「おぅ」
相変わらず、ルーシィとナツは仲がいい。
というか、ルーシィはナツのことが好きだ。
なんでお前が知ってるかって?そりゃ、見たらわかるわ。
ルーシィはいつもナツを目で追っている。
常に一緒で、時折ナツにしか見せない笑顔をするんだ。
まぁ、ナツは一切気づいていないが。
「あ」
オレはルーシィが好きだ。
でも、この恋はかなわない。
しかも、今日、俺は、
「何?グレイ」
「オレ、依頼人の家にわすれものした」
「あん?」
ルーシィにとっては、邪魔者、だから。
「じゃ、俺はここで。あとは2人で帰ってくれ」
「え」
「勝手なやつだなぁー。まぁいいけど」
わすれもの、なんて、していないのに。
強がる俺、本当は誰よりも弱いのかもしれない。
「じゃあな」
「じゃあね」
「またな」
俺はクルリと2人に背を向けた。
届かないと願っているから、
彼女の恋を、応援したって、
いいじゃないか。
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切ないのが好きな私
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