邂逅






最近、ひどく騒がしい。

爆発音とか悲鳴とか爆発音とか銃声とか悲鳴とか。

原因は分かりきってる。

沢田綱吉達だ。

僕は原作程群れが嫌いな訳でもないし、騒がしくてもある程度なら許せる。
でもさ。
これは流石にやり過ぎだと思うんだ。
彼らが来てからというもの、被害届が後を絶たない。
屋上のフェンスに校庭のクレーター。焼けた建物。爆発音。部外者の出没。
挙げればきりがないし、お陰で無駄な出費や風紀委員の活動が増える。
何故か並盛町の予算まで僕の手に委ねられているからね、僕の仕事も当然増える。

お陰で寝不足だよ。


「…ぁふ……」
つい欠伸が漏れた。

「委員長?疲れていらっしゃるのでしたら少しお休みになってはいかがでしょうか」

草壁はほんとできた部下だよ、うん。
気は利くしお茶は美味いし頭も回る。書類仕事もできる。ホント、良い部下だよ。

「……寝る。誰も近づけないで」

草壁の言う通り、少し休もうか。

「分かりました」


◆◆◆


五月蝿い足音と話し声で目が覚めた。
せっかく久しぶりに気持ちよく寝てたのに。

…あぁ、そうだ。今は秋。そしてこの無遠慮な足音。てことは今日が沢田綱吉達との初対面の日なのかな?
まったく、神様なんて信じちゃいないけど、もしいるんなら咬み殺したいよ。
わざわざこんな日に御対面なんてさ。

とりあえず、沢田綱吉達が来たら咬み殺そう。


◆◆◆


足音も騒々しく、ノックも無しに応接室のドアを開けた彼ら。

ノックしないで部屋に入るとか非常識にも程があるよね。

予定通り、最初に足を踏み入れた沢田綱吉をトンファーで咬み殺す。


さて。
自分たちのした行動を清算する準備はいいかい?



煙草を吸うな、なんて。
聞くわけがないことを知ってるから口先だけ。
ついでにこれの強さも口先だけだよね。
呆気ない。
沢田綱吉よりは強めとは言え、手加減してるのに。
一般人のはずの山本武の方が咬み殺し甲斐があるってどういうコト?
まぁ、もう終わっちゃったけど。

さーて。あと残ったのは。

「…次は君だよ、そこの赤ん坊」

いつの間にか、机の上に赤ん坊がいた。
てか土足…。

「つえーな、オマエ。ツナのファミリーに入らねーか?」

「生憎僕は群れるのが嫌いでね。お断りだよ」

諸悪の根源にトンファーを振り下ろすが、流石はアルコバレーノのリボーン。
軽々と避けられた。
……苛々する。

そんな時、視界の隅で茶色が動いて、沢田綱吉が目を覚ました。

「いっつ〜…!って、獄寺君!?山本!?大丈夫!?」

原作通りってことか。
部屋壊されたくないんだけどな。

「起きないよ。二人にはそういう攻撃をしたからね」

そうだ。
ハタキで叩かれるとか部屋爆破とか困るし。
咬み殺せないのは残念だけど、ここらで退散願おうか。そうすればいいんだ。

「それ持ってさっさと出てって」

赤ん坊は少し不満気だけど関係ないね。

トンファーちらつかせたら僕もびっくりなスピードで出てったよ。すごいね。




少しした後、上から沢田綱吉の叫び声が聞こえた。
まったく、人の迷惑考えてほしいよね。


さて、もう一眠りしようか。




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