大空の願い



最近、獄寺君がオレ以外の人に興味を持った。


別に自意識過剰ってワケじゃないけどさ。
「十代目!十代目!」ってうるさ……オレを(異様に)慕ってくれてたけどオレ以外には目も向けなかった獄寺君だよ?

赤飯モノだと思わない?


何があったかはよく知らないけど、ある日の朝、いつも通りに三人で登校して部屋に入ってとき、獄寺君が驚いたようにあの子を見ていたから、たぶんその日からじゃないかな。きっと。

オレ命(自意識過剰じゃないってば)で周り見てなかったから、同じクラスだって知らなかったとかありそう。
あの子もどっちかっていうとおとなしいタイプの子だし、接点皆無だよね。
どこで知り合ったんだろう?



まぁその頃から、獄寺君がなんていうか、おとなしくなった?どっちかというと丸くなったの方が正しいかな。
最初は気づかなくて違和感しかなかったけど、獄寺君の暴走も少なくなったし授業にもよく出るようになったし。
それに、あの子のことをよく目で追ってたから、ああ、好きなのかなって思った。

特に前の二つに関してはあの子様々って感じ←


でも獄寺君ったら本当に気づいてないみたい。
面白いから観察を続けてみた←



そしたら今度は獄寺君から、あの獄寺君から!(大事なことだから二回言ってみた)あの子に話しかけてみたり、助けてあげたり!


でもまだ獄寺は無意識みたいで。

え、何?ギャップ萌えでも狙ってるの?今流行り(?)の乙男ってヤツなの?
見ていてこーさ、ね、わかるでしょ?
焦れったいんだよね!
どっちも奥手すぎてさぁ。
見ているこっちが耐えられないんだよ!

ちょうど同じこと考えてた黒川さんが獄寺君と日直の当番だったからさ、ちょうどいいやって思って獄寺君にちゃんと日直の仕事するように言って、学校に残らせたんだ。
黒川さんとアイコンタクトして、ね。
目で会話って本当にできるんだねー。初めて知ったよ。


獄寺君?
適当に「マフィア」と「十代目」と「右腕」を絡ませたら簡単に頷いてくれたよ。


黒川さんに任せておけば獄寺君も自覚するでしょ。

後は獄寺君次第だよね。

大切なものはちゃんと離さないでおかなきゃ。

それで、あの子が獄寺君の心の止まり木になってくれるといいな。

オレを慕ってくれるのはいいけど、君だって大切な友達で仲間で(右腕で)、人間なんだから。
心の休まる場所を、無くしちゃダメだよ、獄寺君?




++++





(二人が無事にくっついたら)
(獄寺君を弄って遊ぼうか)
(え?黒い?)
(失礼だなぁ。お茶目だって言ってよ)


(!?)
(?どうかしましたか?獄寺君)
(…いや、何でもねぇ)
((悪寒が………))


-
あれ?おかしいなぁ。
なんかツナが黒いっていうか最早別人。
まぁいいか←
こんな感じの第三弾でした。





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