神様の愛娘(自称)
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本当に、本当に、彼らが来たんだわ!!
夢なんかじゃない!!
やっぱり愛は特別なのね!!

だって、成功したんだもの。神様に愛されてなきゃできないんだから、愛はきっと神様の愛娘なのね!


ふふふ、あぁ嬉しい。


これから愛の逆ハー生活が始まるのね!

まぁ愛だし、当然よねぇ!
約束通りの日、約束通りの時間に一階でした大きな音。
期待で胸をいっぱいにして、あたしはゆっくりとドアを開けた。



まず目に入ったのは、いろんな色の武将たち。
幸村と政宗はもちろん、佐助も小十郎も元就も元親も慶次もいる!

すごい!それでみんなが愛を愛してくれるのねぇ!

笑顔じゃないのは残念だけど、来たばっかりだもん、仕方ないわね。

疑われる前にこの世界のことを説明してあげたら、みんなの顔が困ったようになったの。

ここで愛の出番よねぇ!!


「それでぇ、みんなはこれからどうするのぉ?よければ、みんなが元の時代に帰れるまで愛の家に住んだらぁ?」

そう言ったら、みんながほっとしたように笑顔で「お願いします」って!!
うふふ、さぁ愛の逆ハー生活が始まるの!!


元就はまだ考えてるみたいだけど、断るなんてあり得ないよねぇ。

そう思って元就を見たの。

「……我は御免だ。何故我がよく知りもしない女と居なければならぬ。騒がしい貴様らと居るのも御免よ」





……え?


なんて言ったの?


うそでしょ?何で部屋から出てくの?うそでしょ?あたしの元就がそんなこと言うわけないもの!
どうして!どうして!どうして!?




…ああ、わかったわ!

元就はツンデレだってよく言うもんね!
きっと素直になれないだけなんだわ!!

そう思って、元就と元就を追いかけて行った元親を待っていたけど、帰って来なくて。

だから佐助にお願いして二人を探してもらったけど、元親だけで、元就を見つけることはできなかった。


◆◆◆

未来の世だとか言われたこのhouseに落ちてきて、そこそこ時間が経ったと思う。

毛利が出て行って、長曾我部がそれを追っかけて行って、猿が迎えに行って。
漸く長曾我部と猿が帰って来た頃にゃもう既にsanが昇り始めてた。
毛利は見失ったらしく、戻ってきた長曾我部の表情が僅かに暗く見える。

何があったかは知らねぇが、どうせボロクソ言われたんだろ。
分かり切ってるのに、なんでわざわざ追いかけようなんて思ったんだか。

毛利の野郎も毛利の野郎で、前々から何考えてんのか解らねぇヤツだったが、いよいよcrazyにしか思えねぇな。
確かに頭は良いが、過信し過ぎだろ。prideばっか高くて、未来の世とやらで生きていけんのか?

まったく。
こんな状況で、なんでわざわざ愛の好意をはね除けたんだか。


I can't understand!


まぁ理解しようとも思わねぇがな。




毛利と風魔を除く全員が揃ったところで、愛が先の世の絡繰についてintroduceしてくれることになった。

飯は後。
流石に人数が増えすぎて食料が足りねぇらしい。

まぁ仕方ねぇよな。




しっかしまぁ。

四百年も経つと随分と変わるもんだ。
俺達が居たroomは洋室っつー南蛮を真似たもんらしいしよ。

湯殿や厠もすっかり変わっちまって、はっきり言うと口だけじゃイマイチ解らねぇ。
後で実践してもう少し詳しくteachしてほしいもんだぜ。

手取り足取りなら尚更good、だけどな?




家を一通り案内してもらったが、まだでぱーと?という未来で言う市は開いてないらしい。
日はもう完全に出たってのに、未来ってのは随分とゆっくりなんだなと思ったのは俺だけじゃあないはずだ。

愛は優しいから自分の分の朝餉も食べず、俺達の朝餉が準備できるまで我慢してくれるらしい。



だがまぁ、暇だ。
でぱーととやらが開くまでやることも無い。


真田と鍛錬でもするか?

そこまで考えて、ふと甘いperfumeが鼻についた。



愛…?



そのperfumeは愛から香ってくるようで、ひどく心地良い。


…まぁ、鍛錬ならいつでもできるしな。


心がふわふわと浮き足立つような、不思議な気分のまま、俺は愛に声をかけた。




「――愛」


◆◆◆



家の中のことをみんなに教えてあげたけど、それも終わっちゃって暇になっちゃった。

だってまだ八時だよぉ?
あと二時間もある。
コンビニなんかじゃつまんないもん。
やっぱりデパートかでっかいスーパーが王道よね!
あーでも、この後どうしよっかなぁ?
リビングに戻ってきたのはいいけどぉ、みんなもやっぱり暇そうにしてるみたい。
意外とみんな機械とか見ても、お話で読んだみたいなかわいい反応してくれなかったんだよねぇ。
でもきっとみんな緊張してるだけなんだよね!
あんまりしゃべってくれないのも緊張してるから!

じゃあ緊張をほぐしてあげるためにも愛の出番よね!!

あ、でもでもぉ!
いきなり話しかけたらきっとびっくりするよねぇ?
どーしよぉ。
みんなから話しかけてくれるのを待つべきぃ?
それとも、やっぱり愛から話しかけて優しくしてあげるべき?


悩んでたら、「愛」って、政宗が愛のことを呼んでくれたの!
それで「なぁに?」って返して二人でお話ししてたの。
そぉしたら幸村と慶次も来てくれてぇ、四人でお話したんだぁ!

元親はなんかくらぁい顔して何か考えてるしぃ、小十郎はぁ周りをキョロキョロってしてて…かわいい!
佐助は部屋の中を歩きまわってテレビとか棚とか見てて、愛とお話しに来てくれなぁい。
でも、きっと忍だから幸村を守らなきゃって思って警戒してるだけなんだよね!

でも大丈夫!待っててね!!
あとでちゃんと佐助たちともお話してあげるから!

元親はなんで暗いのかわかんないけどぉ、相談に乗ってあげるんだ!
小十郎は、そーだなぁ。
政宗と仲良くしてたらきっと仲良くなれるはず!
あの顔もカッコいいよって言ってあげたらもっといいかなぁ?
よくお話で、顔で怖がられるって言ってたし!
それで佐助にはぁ、「佐助も人間なんだよぉ!だから、素直になっていいし、心を隠さなくっていいんだよ」って言ってあげるの!
よく読むお話だと、忍は人間じゃないから苦しいんだって感じだったし!
そしたらきっと佐助も素直に愛に甘えてくれるようになるよね!!


あぁ楽しみ!!


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自分で書いててアイタタタってなる逆ハー狙いさんの脳内。お話=夢小説。
そして風魔の存在に気づいてないっていう。


6/8
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