曰く、御伽草紙の片隅の
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二匹(←)を連れ立って元居た執務室へと戻る。
茶を運ばせた後小姓を下げ、小さく息を吐く。

「さて、どこから話すべきか…」


「?何悩んでんだ?さっさと教えてくれよ」

我の悩みも知らずに、簡単に言ってくれるものだ。

「この難しい話をどうすれば低能な貴様に理解させることができるかを考えておるのだ。黙っておれ」
どうやって『私』を除いて話すか、とかね。


「俺はてめぇが言うほど低能じゃねぇよ!!」



…え?ああ、そう。そんなこと言っちゃう?
じゃあお望み通りそのまま教えてあげようじゃないか。
一度で理解してみせるが良い。

「ほう。ならば考える手間が省けるというもの。我の知、一度で理解してみせるが良い。ポケットモンスター、縮めてポケモン。種類は五百以上、姿形もまた多様で動物、植物、はては無機物や実体の無いモノを象るモノもいるな。それぞれ固有の特性やタイプを持つ。山に野に町に海に空に、様々な場所で人と共に生きる生物。人とは古くから友好関係にあったとされる、異界の住人よ。最も、古い古い書物の片隅に書かれていただけの架空の存在だと思っていたがな。どうだ?ここまで理解したか」





ポカーン。




そんな間抜けな効果音が似つかわしい阿呆面でこちらを見つめる長曾我部。

「……え?いや、待ってくれ!最早出だしから訳わかんねぇっ!!」
「ふん。やはり低能よ」
「ぐっ」

まぁ、いきなりカタカナ並べられて立て板に水の如く話されたらまず頭に入ってこないだろうね、この時代の人は。
無機物なんて単語、まだ存在しないし。実体の無い生物とか特性だとか、いきなり言われて想像できるはずもないし。
挙げ句の果てに古い書物の片隅の信憑性のない話と来たもんだ。


全部計算ずくの我も我か。


正直言って長曾我部じゃなくても多分いや確実に誰にも理解できないだろうけど、まぁ話せって言ったの長曾我部だし。

我悪くない←



くいくい。

「む?」

袖を引かれてそちらを見れば、アブソルと視線が合う。


「クウォウ、クウォウ」

……うん。何言ってるかさっぱり判らない。


「…残念だが、我には貴様の言葉は理解できぬ。今の説明に対し質問があるのならば、この馬鹿にも理解できるよう説明し直す故、まずは聞いてくれぬか」

「クゥ」
こくり。

素直に頷くアブソルが可愛すぎる件について。





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ポケモンの説明?適当ですとも。
「我悪くない」ってどっかにあったよね、たしか。某動画らへんで。
ポケモンについて、夢主はどうやら本で読んだという設定にしたようです。その本見せろって言われたらどうしようか←


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