幼児期2



HI☆MA☆DA☆!!
パソコンも漫画も無いよ!あっても見せてもらえないよ!僕のニルヴァーナ(って何?)(※A:解脱。not天国)はどこ!!つまり、The・暇!
三歳児暇だよぉ〜ってひたすらゴロゴロしてる渺ちゃんでっす!あれ?暇って何回言った?
とりあえず、あんまりにも暇なので、隣の親友の家にでも突撃してこようと思いますまる。

「たのもぉ〜〜!!」
「なんだその掛け声」
「」
キョウちゃんが…!キョウちゃんが……袴、だと…!?
「ああこれか?凄いんだ、俺の家。祖母が弓道、祖父が剣術、父が空手の師範代だ」
「何ソレすごい」
「それでな、これから剣術を教えていただくんだ」
心なしかキョウの無表情が緩んでいるような…?しかも目にハイライトが入ってる!相当嬉しいんだな、これ。くっ!暇じゃないなんて……この裏切り者!!

それにしても。
「随分嬉しそうだねぇ」
僕でもほとんど見たことないよ、このレベル。…悔しいっ!

「ああ、前世じゃ武術の才能が皆無だったからな。興味があっただけに習えるのが嬉しい」
「皆無ってどんくらい?」
「素人目の母や同じ道場の白帯の奴等に太鼓判押されるレベル」

「たしかに皆無だね!」
そういや前に聞いたことあるよその話!
中学、高校で選択した剣道も、どう贔屓目に見てもひどかったもんね!
高校で部活でやってた弓道は格好良かったけど!あれ例外だったんだね!

「前世では金の無駄だからすぐ空手を辞めたからな。タダで、しかもプロに教えていただける上に才能は少なくとも皆無じゃない。嬉しいに決まっているだろう!」
「ヤバイ、いや別にヤバくはないか。思った以上にキョウのテンション上がってる。珍しい」

「どうせ渺も暇だろう。一緒にやらないか」
「暇って断定された!たしかに暇だけど!いやでも遠慮しとこっかな〜…。一回しか見てないけど、キョウのお祖父ちゃんってあれでしょ?あの厳しそうな人」
「自分にも他人にも厳しいぞ」
「あ、やっぱり」
「じゃあ空手の方はどうだ?どうせまたコスプレだとか成りきりとかやるんだろう。父さんならそこまで厳しくないし、何かしら武術をやるとやらないとでは動きのキレが違う。衣装に映えるぞ」

力 説 さ れ た!
うーむむむ、たしかになー。今暇だし、某古武術取り入れたバスケ部もあるし、僕がぷりてぃー過ぎて寄ってくるであろう変態共への手札にもなるし、メリットばっかだね。頑張ればご褒美として好きな物(パソコンとか漫画とか)買って貰えるかもしれないし!←
ふおおぉぉぉ!!ほしい!ご褒美超ほしい!!打算ばっかでサーセン。

「よしわかった!僕も空手やるよ!!パパとママにお願いしてみる!」
「よしじゃあ俺も父さんに話を通しておこう」



「恭輔!早く来んか!!」
キョウのお祖父ちゃんの声、怖えぇ。
「!!すまない、祖父様!今行く!!それじゃあな、渺」

…!?
「ま、待って!?ぜひ今のもう一回!!『すまない、留三郎』って言ってから行ってえぇぇぇ!?」
ヤバイ……前世は全く無かったけど、今世じゃ声真似の才能あるわ…!絶対こっち(O☆TA☆KU☆)の道に引き摺り込まなきゃ………!!
目指せ、25動で共演!



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