孫市姉様、鶴は病にかかったらしいのです。
近頃、ある方を見る度に、心臓がドキドキするんです。
孫市姉様なら病の名を知っているのではないのですか?
知っているのですね!!教えてください!!
じゃないと、そのうち私の心臓は爆発してしまいます!!
…コイノヤマイ?
それは大変な病なのですか?






孫市姉様曰く、私は「恋の病」にかかっているそうです。「恋」についても教えてもらいました。

…ありえません!!私があんな海賊に「恋」をしているなんて!!


「どうした、鶴の字。顔真っ赤だぞ」
「な…何でもないです!!」
海賊さんは一抱えもあるお魚さんと一緒にやってきました。体重は私より重いはずのお魚さんを軽々と片手で担いでいます。
「…額熱いな。熱があんじゃねえか?」
なんて言って額をぶつけてくるのですから、私はもうまっかっか。混乱した頭で何とか話を変えようとしてみます。
「か、かか海賊さんは、なな何の、よよ用で来たのででしょうか!!?」
「どもりすぎだろ」
笑う海賊さん。その顔に心臓がキュッとなります。ああ、息も苦しくなってきました。
「この近くで沢山釣れたもんでな、裾分けだ」
と言ってお魚さんを示します。海賊さんの後ろで、海賊さんの部下の人達が、社の皆さんにお魚さんを渡していました。
少しだけ落ち込みます。私に会いに来てくれたのではないのです。
「…あと最近、鶴の字に会ってなかったからな」
落ち込んでいた心は急上昇しちゃいます。
…ずるい。
そんな事言われたら、期待しちゃうじゃないですか。
「…じゃあ、今度は私に会う為だけに来てくださいねっ」
何とか笑って言うと、海賊さんは笑って答えるのです。
「勿論だ」
なんて。

…ああ、恋の病は重病のようです。




!!

(大好き、なんて)
(いつ言えるのでしょう)



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悠祈様リクエストの作品。
「恋はきっと急上昇☆/GUMI」でした。
短文まことに申し訳ございません。

歌詞よりはリズムを大切にしてみました。なんかきゅんきゅんしたイメージ。
…鶴ちゃんには、きらら矢があるから、恋に関しては無敵な気がするのですがどうでしょう。
改めて、悠祈様企画参加ありがとうございました。
お持ち帰りは悠祈様のみです。