「うっす」
「何か用ですか?」
お兄ちゃんが家を出て行った直後、青峰が家にいらっしゃった。制服をゆるく着こなして、でもカッコイイと思ってしまった。私は今から朝食の片づけをしておやつを作る準備をしようとしていたところだった。
「学校、行こうぜ」
その言葉に私はドアを反射的に閉じようとしたが青峰の手がそれを阻む。うぐぐ、男の人の力は強いです。
「さっさと着替えて学校行こうぜ」
「いーやーだー」
頑張るのだけれど青峰はずかずかと家に入り込んできた。
「じゃあ俺もサボる」
そう言ってソファに座りテレビをつける青峰。この人は勝手な人だ。警察に通報してやろうかと一瞬思ってしまった。
「何で私を学校に行かせたいんでしょうか」
「おまえと同じクラスだから」
「理由になってません」
「理由いるのかよ、つかなんで学校行かねーんだよ」
「家にいるほうが自由で好きなことできますー」
「新しい発見は外でしかできないだろ」
「テレビもパソコンも本も雑誌も全部お兄ちゃんが買ってきてくれますもの」
「甘えるなよー将来」
「就職先はもう決まってますからね」
「うるさいおまえ」
「人様の家に上がっておいてどの口が言ってるんですか」
そこからはもう一方的にバスケの話するし学校の制服どこだとか言いながら乙女の部屋に入ろうとするし散々なやつだった。ところで彼はバスケ部らしいけど今日学校に行かないという事は練習にも出ないという事だろうか。そんなこと、あの征十郎くんが許すのだろうか。そうだ、征十郎くんにメールしよう。そう思って携帯電話を取りにリビングに行ったら「紫原と赤司には言うなよ」と言われた。こいつエスパーか?人の心読めるのか?と思ってたら「口に全部出てる」と言われてしまった。ずっと一人でいたから独り言が増え無意識に言ってしまったのだろうか。恥ずかしい。
「お帰りいただきたいんですが」
「おまえが学校行く気になったらな」
そうは言ったものの三時くらいになると「学校行く」って言って出て行った。部活だけ行く気かこいつずるいな。そう思いながら見送った。

横暴なお客様
20120818
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