「紫原くん、お金を徴収いたします」
そういって朝から手を広げる彼女に二百円を渡すと、その手にクッキーの沢山詰まった袋が渡された。めっちゃたくさん入ってた。
「こんなに貰っちゃっていいの?」
「うん、あげる」
「ありがと、真希乃ちん」
リボンをといてクッキーを一つ食べると、ほんのり酸味があってイチゴっぽい味がした。とても美味しい。すごく凝ってるなーと思った。彼女は既にこっちを向いていない。自分の席で何かのプリントを読んでいる。よくみたらそれはデザート研究部の今日の予定みたいだった。
「何作るのー?」
そう訊くと彼女は「うん?」と言ってプリントを渡してくれた。そこには缶詰のフルーツをふんだんに使ったゼリーの作り方が書いてあった。
「今日、作るんだ?」
「うん、作るよ」
「じゃあ俺にもちょーだい」
「え?いいけど。百円」
「わかった。できたら体育館に持ってきてよー。バスケやってるからさ」
「うん、わかった。持って行くよ」
彼女はふんわり笑った。なんだか心がくすぐったかった。

約束します
20120818
ちょっと短くなってしまった
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -